りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

目覚めの季節―エイミーとイザベル

目覚めの季節―エイミーとイザベル

目覚めの季節―エイミーとイザベル

★★★★★
DHCの翻訳本って結構おもしろい。
この間読んだ「夏休みのブルー」もそうだが、無名だが何かちょっときらっと光るような作家を新鋭の翻訳家に訳させて出版しようという試みのようだ。

堅苦しい母イザベルといつも何かに怯えているような少女エイミー。そんな二人の関係が、エイミーが臨時教員ロバートソンと出会うことで変化してゆく。

娘に裏切られたことが許せずに我を失ってしまう母。それまで何の疑問を持たずにいた母の束縛から逃れ、(親から見れば)道を逸脱していく娘。

こういう愛憎入り混じる母娘の物語というのは、身につまされてしまってつらい。

横暴ともいえる母に怒りを覚えながらも、母をあからさまに軽蔑するようになる娘にも胸が痛む。
こんな痛みを経ないと母と娘は親離れ、子離れできないものなのだろうか‥。