消えた弟
- 作者: マネット・アンセイ,坂口玲子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1999/01
- メディア: 単行本
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ウィスコンシン州の小さな田舎町。
主人公のアビゲイルと弟のサム、二人の姉弟の関係を軸に、姉アビゲイルが語る、崩壊する家族の物語。
性別への固定観念を押し付ける父親との確執。
アビゲイルはそこから逃げ出し、逃げ出すことができなかった弟は非行の兆しを見せ始め、17歳のときに突然姿を消してしまう。
弟に何が起きたのか。
自分はそのとき一体何をしていたのか。
そしてこの小説のもうひとつの大きなテーマが信仰だ。
家族の崩壊というのは私には非常に興味のあるテーマではあるのだが、なぜだろう、この小説にはなじめなかった。
なんだか、強烈な父親のエピソードがあまりにも痛くて。
二人の子どもがあまりにも無力で。
読んでいてつらい気持ちになってしまった。