ジャイアンツ・ハウス
- 作者: エリザベスマクラッケン
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1999/07
- メディア: 単行本
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読み終わったときに思った。ああ、またとびきりの一冊に出会ってしまった、と。
堅物で不器用な図書館司書の女性ペギーが、自分より15歳年下ののっぽの少年ジェイムスに恋をする。彼は初めて出会ったとき、まだ11歳。
彼に恋焦がれ、彼の家のごくごく小さな場所にじわじわと入りこんでゆきたい、と願いつつも、彼の初恋の橋渡しをしてしまったり、お母さんに間違えられたりするペギーが、かわいそうでもあり、おかしくもある。
ジェイムスの成長はとどまることをしらない。実は彼は巨人症という病に冒されていたのだ。
友情とも愛情ともとれる関係を育む10年。どうしようもないほど不器用で間の悪いペギーと、大きな体をもてあます悲しき巨人ジェイムスの心がよりそってゆくシーンは、なんともいえず悲しく、それでいて、穏やかな喜びに満ちている。
最初はなんだか変なやつだなあと思っていたペギーを、読み進むうちに、どんどん好きになった。そして、ジェイムス、、読んでいるうちに、ペギーの気持ちになって恋してしまった。
裏表紙を見たら、「マクラッケンは、この作品で、第二のアン・タイラーになるだろう。」という、ダイアル・プレス編集長の言葉が載っていて、びっくり!
また、アン・タイラー!私が「これは」と思う作品というのは、アン・タイラー風ということなのか。あるいは、アン・タイラーというのは私が思ってる以上に大御所なのだろうか。
とにかくこの本を見逃さなくて良かった。ほかの作品も翻訳されることを祈ろう。