りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

昏い部屋

昏(くら)い部屋 (創元推理文庫)

昏(くら)い部屋 (創元推理文庫)

★★★★★

ミネット・ウォルターズは今までに翻訳された3冊はすべて読んでいる。一番面白い!と思ったのは、「女彫刻家」だった。
この「昏い部屋」は、「女彫刻家」にも匹敵する面白さ!

億万長者の娘ジンクスはある日、病院で意識を取り戻す。彼女は自分が事故に遭ったことを知らされるのだが、事故前後の記憶が全く抜け落ちていた。
事故の状況から「自殺を図った」と判断されているのだが、自分が自殺を図るとはとても信じられない。
そして彼女は自分が、ある殺人事件の容疑者筆頭であることを告げられる。
果たして彼女は殺人者なのか。あるいは、彼女を溺愛し、マフィアまがいの仕事をしていると噂される彼女の父が殺させたのか。他に犯人がいるのか。

ジンクスの視点だけではなく、警察、主治医らの視点からも描かれて、読んでいると誰を信じたらいいのかわからなくなってくる。
謎解きだけではなく、登場人物たちが実に生き生きと描かれていて、どんどん物語りにひきこまれてしまう。

まだ未訳の2冊とも、早く翻訳して出版してもらいたい。

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