りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

クロスファイア

クロスファイア(上) (光文社文庫)

クロスファイア(上) (光文社文庫)

★★★★
念力放火能力を持って生まれた女性・青木淳子。彼女は自分の「武器」を使って、快楽殺人を繰り返す非人間を標的として、立ちあがる。

彼女が行うのは果たして正義なのか。あるいは、自分の力がコントロールできないくらい大きくなってしまって、彼女の精神自体も支配してしまったのか。

宮部みゆきらしく、一人の孤独な女性として青木淳子を丹念に描いているので、決して荒唐無稽な話に感じられない。こんなこともあるかもしれないなぁと思ってしまう。

でも青木淳子があまりにもかわいそう。あんまりだよ。「スナーク狩り」にもちょっと通じるような救いのなさだ。