りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

バトル・ロワイアル

バトル・ロワイアル

バトル・ロワイアル

★★★★★
桐野夏生の「OUT」はだめだけど、これは大丈夫な私。

選ばれたクラスが島に隔離されて、たった一人の生き残りを目指して殺し合いをするというすごい内容。内容が過激過ぎるということで出版までにいろいろいきさつがあったらしい。

でも、確かにすごい内容ではあるけれど、登場人物に救いがある。壮絶な環境の中で、それでも自分を見失わず仲間を信じて闘いを続ける主人公に、読みながら「頑張れー」とエールをおくらずにはいられない。

疑心暗鬼になり、仲間を信じられずに殺してしまう人。自分が生き残るためなら色仕掛けも辞さない人。そして何の感情も持たずに殺戮を繰り返す人。

一方、自分の好きな人を探して危険も辞さずに武器も持たず歩き回る人。クラスの仲間を信じたいと呼びかける人。自分は死んでもこのばかげた「プログラム」をぶち壊してやると突っ走る人。

ある意味、善と悪がはっきりしている。だから後味がそれほど悪くはないのかもしれない。

面白かった。夢中になって読んだ。