クリスマスの食卓
- 作者: メイヴビンチー
- 出版社/メーカー: アーティストハウス
- 発売日: 1998/12
- メディア: 単行本
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クリスマスの日をモチーフにした短編集。日本でも、クリスマスの日をどういうふうに過ごすか、ということは結構話題になったりしますが、アメリカでもそうなんだなあ。
クリスマスの日にこんなことがおきるなんて、とか、せっかくのクリスマスにこんな悲惨な条件が重なってしまった、とかいった中で、今まで我慢に我慢を重ねていた人が感情を爆発させたり、正直な気持ちを吐露したりして、でもそれによって事態が変わる、という話が集められている。
老人ホームに勤める女性が、クリスマスの日に、家族さえも一緒に過ごしたがらないような偏屈な老人ばかりがホームに残り、彼らの世話を一人で引き受けるはめに陥ってしまう。せっかくのクリスマスを返上して世話をしているというのに、彼らの口から出るのは、嫌みや当てこすりばかり。ついに彼女は爆発するが、彼らは急に憑き物がおちたかのように素直になって、、、。というような話や、
一生懸命クリスマスの準備に励む後妻。彼女は前の奥さんが派手好きで家庭的なことはなにもしなかったと聞いて、自分はそうじゃないという面を見せようと、必死にやっている。でもその努力が報われていないような、彼女がやればやるほど、前の奥さんの引き立て役になってしまっているような気持ちが抑えられなくなってきて、、、。というような話。
「バカヤロー」っていう映画があったけど、あれを彷彿とさせるような内容で、一緒になってふつふつと怒りをためて、一気に爆発!みたいな爽快感があった。