りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

小燕枝落語手帳

1/22(水)、湯島天神参集殿で行われた「小燕枝落語手帳」に行ってきた。
 
・ 小燕枝「意地比べ」
・ 小燕枝「替り目」
~仲入り~
・プレゼントコーナー
・ 小燕枝「御慶」
 
小燕枝師匠「意地比べ」
昨年は自分も奥さん( 小燕枝師匠、自分の奥さんのこと「化けベソ」って呼ぶんだよね…)も風邪をこじらせて大変だった。
医者に通って薬を飲んでも全然良くならない。最後は「気管支炎」になって咳が止まらず苦しかった。
ようやく自分も奥さんも良くなってきたと思ったら、今度は猫がご飯を食べなくなっちゃった。どんどん痩せてきて心配になって病院に連れて行ったら、 猫の食欲を増進させる薬があるっていうんだけどこれが人間の躁うつ病の薬と同じ成分らしい。
もらってきて飲ませたら効果てきめん。
ご飯をばくばく食べるようになって、ああよかったと思ったら、今度は食べた後30分ぐらいして「ご飯くれ」。
夜ご飯食べさせても夜中に「ご飯くれ」って催促に来る。
最初は奥さんのところに行って催促してるんだけど奥さんは一度寝ると決して起きないから「こりゃだめだ」と諦めると私の所に来る。最初は布団を引っ張ったりしてるんだけど、そのうち前足で頭をガリガリやってくるので、とても寝ていられない。
しょうがないから起きてご飯をやって、やれやれと布団に戻って眠ると、またやってきて「ご飯くれ」。
次に病院に行った時は「あの薬、やめさせてください」とお願いしました。
 
…ぶわははは。おかしくておかしくてもう大笑い。
最高だ。
 
江戸っ子のまくらから「 意地比べ」。
江戸っ子の意地の張り合いの噺だけど、最初から最後まで楽しくて大笑いだった。
「意地比べ」とか「三方一両損」とか「大工調べ」とか江戸っ子の噺ってあんまり好きじゃないんだけど、 小燕枝師匠のは楽しい!
はっつぁんがどこで相手を「かちん」とさせたかが、とっても分かりやすくて笑っちゃう。
意地を張り合ってるのに仲良しのまま、というのもなんともいえずいいなぁ。
面白かった。
 
小燕枝師匠「替り目」
お酒は飲めないという 小燕枝師匠がどうしてこんなに酔っ払いがうまいんだろう。
ぐずぐずになっためんどくさい酔っ払いぶりがおかしいおかしい。
ああだこうだといちいちうるさいのもおかみさんへの小言ものろけも、とってもチャーミング。
「替り目」通しで聴くのも久しぶりだったな。
 
小燕枝師匠「御慶」
落語が好きで通っているとお客様も同じ噺に当たることが多くなると思います。
その時に「なんだよお前この前と同じ噺じゃねぇか」とはおっしゃらないでいただきたい。
同じ落語家の同じ噺に当たったということはそれだけ何度も来られている、健康だという証拠ですから、そう受け止めていただきたい。
これが我々とお客様との申し送りです。
 
…うわーー。耳が痛い!
そうですよね…はい…すすすびばせん。
 
富くじのまくらから「御慶」。
八五郎のキャラクターがはっきりしていてチャーミングなので、最初におかみさんの半纏を無理矢理引っ剥がすところも、ほしい番号が売れてしまっていてがっかりするところも、易者に声をかけられて相談するところも、生き生きと姿が浮かんできて楽しい。
おかみさんに「離縁する」と脅されたことも相当効いているのもおかしい。
当たって大喜びして話が全然かみ合わなかったり、家に帰ると「また外れたんだろ。いい加減離縁状を書いておくれ」と文句を言うおかみさんに小判を見せるところもおかしいし、おかみさんの態度がころっと変わるのもそれを八五郎がけろっと許すのも、さっぱりした二人の性格が出ていていいなぁ。
ぎょけいっ!のおたけびもなんともユーモラス。

楽しかった~。最初から最後までとても楽しい「御慶」だった。
やっぱりこの噺って結構難しいんだな。