りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

国立演芸場1月中席

1/11(土)、国立演芸場1月中席に行ってきた。

・りょう治「子ほめ」
・紅純「秋色桜」
宮田陽・昇 漫才
・柳好「つぼ算」
・一矢 相撲甚句
・幸丸「正月風景&売り声」
~仲入り~
・紅「母里太兵衛」(黒田節の由来)
・南なん「転宅」
・今丸 紙切り
・茶楽「品川心中(上)」


紅純さん「秋色桜」
貫禄出てきたなぁ。紅先生のところに移ってから明らかに伸び伸びやってるように見えて、なんか嬉しい。
とてもよかった。


宮田陽・昇 漫才
いつものネタから新しいネタまで最初から最後まで楽しくて笑いっぱなしだった。
陽先生の何を言い出すかわからない感じと、昇先生のなんでも包み込んでくれる感じのバランスがたまらなく好き。

柳好師匠「つぼ算」
最初は陰気っぽく始まるのに、まくらでもだんだんテンションがあがってきて、噺に入ると動きも大きくてメリハリがあってすごく楽しい。
買い物を頼んだ弟分が最後までからくりに気づいてないのがおかしくて、瀬戸物屋の番頭が「あなた、私の顔をじっとみて首をひねるのやめてください!」と言うのもすごくおかしかった。


幸丸師匠「正月風景&売り声」
正月に関するぼやきというか愚痴というか毒…なんだけど、毒とぼやきとそれに対する客席の反応への反射が絶妙で笑い通し。
最後には売り声も披露。お正月らしくて楽しかった。


南なん師匠「転宅」
噺家になる前、いろいろバイトやりました。
最初はパン工場でパンにチョコレートをつけるバイト。これが熱いんですよ。もう汗が止まらない。それに神経も使うし。…1週間でやめました。
次にやったのが遊園地のバイト。面接した人が私の顔をじーーっと見て「あなた…採用です」。一発で採用されてよかったなーと思っていたら、お化け屋敷でお化けの役…。生首の役です。井戸から顔を出して顔から血を流してるんです。
でもこれ…お客さんが女の子だったりすると「きゃーーー」って言ってハンドバッグでひっぱたかれたり、雨の日だと傘で突かれたり…。…3日でやめました。
それから次にやったのが警備員。病院に配置されて深夜の病院を巡回しないといけないんですけど。私、臆病なんですよ…。一人で真夜中の病院を巡回していると…。

…ぶわははは。初めて聞いた!楽しい~。
そんなまくらから「転宅」。
間抜けな泥棒がお菊さんにだまされて鼻の下を伸ばすのがとってもかわいい。
表情が豊かなんだなぁ。
そしてコンパクトだ。南なん師匠の落語は。ぎゅっと詰まってる。
久しぶりに見た南なん師匠、楽しかった。

茶楽師匠「品川心中(上)」
噺が始まって「品川心中」だ!と分かったときの胸のときめきよ!
この噺大好きだし、茶楽師匠で聴けるなんて嬉しい~。

お染がとても色っぽい。もうこんなみじめな思いをするくらいならいっそのこと死んじまおうと帳面をめくって馴染み客の品定めをするところ…きれいで肝の座った花魁の姿が見えてくる。肩の落とし方とか身体づかいがやわらかくてきれいなんだなぁ。
貸本屋の金ちゃんは能天気で、お染が「死のうと思ってる」と言うと「お前一人で死なせるもんか!」と心中をけろっと請け負うんだけど、飲んだらすっかり忘れちゃうし、「喉は急所だからやめよう」とか「俺は泳げねぇから」とか全然本気が感じられない。

それでも二人で品川の海に出るところ、暗い海が浮かんできて、いいなぁ…。私、この場面がとても好きなんだよね。いや金ちゃんにしたら笑いごとじゃないけど。

突き落とされた金ちゃんがざんばら髪で海から上がってくるところ、声をかけられて俥屋がびっくりするところ、犬に追いかけられて這う這うの体で逃げていくところ。
情けないようなおかしいような絵が広がってくる。

兄貴分の家を訪ねてからのドタバタも楽しくて、大笑い。
楽しかったー。そしてすごく素敵だった。茶楽師匠、かっこいいなぁ…。
よかった。