りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

いるいないみらい

 

いるいないみらい

いるいないみらい

  • 作者:窪 美澄
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/06/28
  • メディア: 単行本
 

 ★★★★★

未来の選択に直面した人たちの、切なくもあたたかな物語。

話題作『トリニティ』『じっと手を見る』著者最新作!

いつかは欲しい、でもそれがいつなのか、わからない。

夫と二人の快適な生活に満足していた知佳(35歳)。しかし妹の出産を機に、彼の様子が変わってきて……「1DKとメロンパン」
妊活を始めて4カ月が過ぎた。時間がないとあせる妻に対し、夫の睦生(34歳)は……「無花果のレジデンス」
独身OLの茂斗子(36歳)は、単身者しか入居していないはずのマンションで子どもの泣き声を聞いて……「私は子どもが大嫌い」

子どもがいてもいなくても……毎日を懸命に生きるすべての人へ、
そっと手を差し伸べてくれる、5つの物語。

 結婚したからといって必ず子どもができるわけではないし、望んでいてもできない場合もあるし、また子どもを作らないという選択もあれば、養子をとるという選択もある。

夫と妻の考えが必ずしも一致するケースばかりではないとは思うけれど、お互いに歩み寄って理解しあえたらいいよね。

特に好きだったのが最終話の「金木犀のベランダ」。
お互いを思いあって暮らしていけたら…今が幸せなら、恵まれていなかった子ども時代なんてただの過去。そのことで劣等感を持つ必要なんかない。
最後まで読んで涙がぽろり

とてもよかった。