りつこの読書と落語メモ

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なにかが首のまわりに

 

なにかが首のまわりに (河出文庫)

なにかが首のまわりに (河出文庫)

 

 ★★★★★

ラゴスからアメリカに移民した若い主人公がエクストラ・ヴァージン・オイル色の目をした白人の男の子と親しくなる表題作(「アメリカにいる、きみ」改題)のほか、「ひそかな経験」「明日は遠すぎて」など、人種、ジェンダー、家族にまつわるステレオタイプな思考を解きほぐす、天性のストーリーテラーの切なく繊細な12の短篇。

国が違うことで常識や生活や「当たり前」が違うのだけれど、好きになったり違和感を覚えたり恐怖を感じたり近しさを感じたり…そういう感情には違いがない。
近さと遠さを感じること、それが海外文学を読む楽しさなのかもしれない。

どの作品が好きだったかなぁと見直すとどの作品も好きだった、と思う。
でもあえて一番好きだった作品を選ぶなら「なにかが首のまわりに」。
フラットでありたいと願っていてもどうしても越えられない壁。言葉を尽くしてもどうしても理解しあえない悲しさ。みずみずしさに救われる想い。素晴らしかった。