りつこの読書と落語メモ

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屋根屋

 

屋根屋

屋根屋

 

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雨漏りのする屋根の修繕にやってきた工務店の男は永瀬といった。木訥な大男で、仕事ぶりは堅実。彼は妻の死から神経を病み、その治療として夢日記を付けている。永瀬屋根屋によれば、トレーニングによって、誰でも自在に夢を見ることができるという。「奥さんが上手に夢を見ることが出来るごとなったら、私がそのうち素晴らしか所に案内ばしましょう」。以来、二人は夢の中で、法隆寺やフランスの大聖堂へと出かけるのだった。 

どこからどこまでも好みだった。

ふとした会話がきっかけで屋根屋職人と夢のなかの旅に出かけるようになった主婦みのり。
屋根屋の九州弁がなんとも魅力的で彼の朴訥とした語りに引き込まれ、私も一緒に空の旅に出たくなる。

現実的なみのりと高い屋根から地獄の淵を見下ろす屋根屋の旅はきっといつか終わりを告げるだろうとは思っていたけれど…。
夢の方が現実よりずっとリアルで魅力的に感じられるようになったら現実には戻ってこられないんだろうな。
夢と現実の境界が曖昧でそこにスリルと魅力を感じる。そして屋根の描写の素晴らしいこと。楽しかった!

あと屋根屋のしゃべる九州弁がいだてんファンの私にからすると金栗四三の声に脳内変換されてたまらなかった。
図書館で借りて読んだ本だったけど、すぐに探して買った。これは何度も読み返したい!
うーん、いい。村田喜代子。はずれがない。どんどん読みたい。