りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

銀河の果ての落とし穴

 

銀河の果ての落とし穴

銀河の果ての落とし穴

 

 

★★★★★

奇想とリアル、笑いとシュールが紙一重のケレットワールド。ウサギになったパパ、サーカスの人間大砲、戦場に現れるピトモンGOキャラ、脱出ゲーム「銀河の果ての落とし穴」…語りの名手の最新短篇集。

とてもよかった。この方の作品は翻訳されれば必ず読んでいるけれど、独特の浮遊感があってたまらない。

危険と隣り合わせの日常の中ほんの小さな出会いや楽しみに救いを見出す日々。

ホロコースト」もその人の経験や立場によってとらえ方や感情がさまざまであることを痛感した。

批判、達観、諦観とも違う…どうしようもない世界を生き延びるための希望のようなものを感じる。異常な日常を乗り越えるためのユーモアの切実さが胸を打つし、もはや他人ごとではない。