りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

11月上席「落語協会真打昇進襲名披露」

11/8(金)、国立演芸場で行われた11月上席夜の部「落語協会真打昇進襲名披露」に行ってきた。

・市若「牛ほめ」
・わん丈「来場御礼」
・扇辰「道灌」
・ペペ桜井 ギター漫談
・権之助「湯屋番」
・ぎん志「町内の若い衆」
~仲入り~
・真打昇進襲名披露口上(扇辰、権之助、ぎん志、小志ん、わさび)
・にゃん子・金魚 漫才
・わさび「券売機女房」
仙三郎社中 太神楽
・小志ん「芝浜」

 

わん丈さん「来場御礼」
いつもの高校時代に金髪にした話でどっかん!とウケて気を良くして(笑)、地元の会が増えるといかに東京のお客様が落語会に慣れているのがわかる、とわん丈さん。
自分の会を地元でやると、携帯は鳴るわ袋のガサガサいう音はするわ…まぁ落ち着かない。
しかも犯人は誰だ?と客席をチェックして、それが自分のおかんだった時の気持ちと言ったら。
家に帰ってきてから母親にダメ出し。
しかし母親も負けてない。
「落語の最中に携帯ならしたやろ!なんで電源を切らんのよ」
「いやだって…携帯の電源切るって結構な勇気が必要なんや」
「でも落語の最中に着信音が鳴ったら噺が台無しになる!」
「あれは着信じゃなくてアラームやで!」
「そんなのどっちでもええわ。しかもすぐに切らないしもう一度ならしたやろ!」
「それはスヌーズ!」

…強烈だけど息子がかわいくてしょうがないお母さんの姿が浮かんできて、すごく笑えるしほのぼのもする。
わん丈さん、すごいなぁー。お客さんを引き付ける力がとても二ツ目とは思えない。
そして「人たらし」のかほりもぷんぷん(笑)。


ぎん志師匠「町内の若い衆」
ぎん志師匠、左吉時代に2回見ているけど特にそれほど強い印象は持ってなかった。
でもこの日の「町内の若い衆」はなんか好きだったな。なんだろう。わざとらしさが全然なくてふわっと面白い。思わず引き込まれてわはは!と笑ってしまった。
途中でセリフが抜けたりもして、あれ?なんか緊張してる?
仲入りに入った時に、ぎん志師匠をよく見てる友だちが「がたがたじゃねぇか!」と言ったのもおかしくておかしくて。
「あ、やっぱり?緊張症?でもなんかすごく好みだったよ」と言うと「でしょう!いいんだよ、この人すごく!」。
楽しかった~。


真打昇進襲名披露口上(扇辰師匠:司会、権之助師匠、ぎん志師匠、小志ん師匠、わさび師匠)
新真打の楽屋入りが遅かったと扇辰師匠はご立腹(笑)。特にわさび師匠は、扇辰師匠が出番に上がるときにもまだ来てなかった、と。
この4人のこと私はそんなに知らないんだよ、と言いながらも、これからも末永く応援してやってくださいと挨拶。
それから、それぞれが自分の隣に座った師匠の好きなところ、嫌いなところを言う、という流れに。
ところがこれ、打ち合わせと逆の流れだったらしく、全員がぶっつけ本番で相手について言わなければならなくなってしまった様子。
で、一番端のわさび師匠は権之助師匠のことを言わなければいけなかったのに「扇辰師匠の好きなところは…」とわざと間違えたのがすごくおかしかった。さすが機転が利くね!


わさび師匠「券売機女房」
小さな中華屋に常連客が入ってきて「あー俺いつものやつね」とラーメン、餃子、ビールの小瓶を注文。
それを食べながら店主とあれこれ話をしていると、そこにアメリカ人のお客さん。メニューもよくわからないし注文の仕方もわからない。
その後に入って来たのが声の小さい内気な青年。彼も勇気をだして注文を言ってるのに店主が耳が遠くて聞き取ってくれないことに心折れて出て行ってしまう。
「この店も券売機入れた方がいいよ」と常連さんに言われた店主とその女房は、そうは言っても券売機を入れるような金もないし…と困り果てる。
そこで亭主が券売機を手作りしてその中に女房が入り「音声認識」と評して女房が券売機をやることに…。

わさび師匠らしいシュールな新作。
小さな中華料理屋の老夫婦がお互いを思いやる様子が微笑ましい。
後で友だちに聞いたら、先月の月わさで作った三題噺とのこと。
できたてのほやほやの新作を披露目でかけるって…すごい!