りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

 

犬 (文芸書)

犬 (文芸書)

 

 ★★★

初長編『鯖』が第32回山本周五郎賞候補
ブレイク必至!
今、最もキテル鬼才が放つ、狂乱の疾走劇

大阪でニューハーフ店「さくら」を営む桜は63歳のトランスジェンダーだ。
23歳で同じくトランスジェンダーの沙希を店員として雇い、慎ましくも豊かな日々を送っていた。
そんなある日、桜の昔の男・安藤勝が現れる。
今さらと思いながらも、女の幸せを忘れられない桜は、安藤の儲け話に乗ることを決意。
老後のためにコツコツと貯めた、なけなしの1千万円を用意するが……。

大阪発。愛と暴力の旅が、今、始まった。
嬲り、嬲られ、愛に死ね!

暴力シーンの凄まじさと、そうなることは分かっているのにずぶずぶとデンジャーゾーンに入って行く主人公に苛立って、読んだ直後は「この作家の本は二度と読まない!」と思った。
でも読み終わってからしばらくたつと、なんとなく気になってきて…あれはいったいなんだったんだろう、結局作者は何を描きたかったんだろう、ともやもやしてきた。

この作品から愛や人生を読み取ることは私にはできない、と思ったけど、いや…待てよ…と今は思っている。
他の作品も読んでみよう…体調がいいときに(笑)。