りつこの読書と落語メモ

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ショウコの微笑

 

ショウコの微笑 (新しい韓国の文学)

ショウコの微笑 (新しい韓国の文学)

 

 ★★★★★

高校の文化交流で日本から韓国へやってきたショウコは、私の家に一週間滞在した。帰国後に送り続けられた彼女の手紙は、高校卒業間近にぷっつり途絶えてしまう。約十年を経てショウコと再会した私は、彼女がつらい日々を過ごしていたと知る。表題作のほか、時代背景も舞台も異なる多彩な作品を収録。時と場を越え寄り添う七つの物語。 

 涙腺をピーポイントで刺激してくる作品が多くて、泣きながら読んだ。

高校の交流行事で知り合ったショウコとの交流を介して自分と家族に向き合う表題作。
ドイツの小さな村でベトナム人一家と韓国人一家の付き合いが過去の出来事によって引き裂かれる「シンチャオ、シンチャオ」。
フランスの修道院で出会ったケニアの青年への淡い恋心を描いた「ハンジとヨンジュ」。

心が触れ合う親密な瞬間と決定的に離れてしまう瞬間。人と人が分かり合うことの難しさ。家族だって分かり合うことは難しいのだから他人同士や国が違えば余計に…。
それでも心が触れ合った瞬間は本物で相手も時々思い出してくれていると信じたい。

繊細な描写がとても好みだった。