りつこの読書と落語メモ

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刑罰

 

刑罰

刑罰

 

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黒いダイバースーツを身につけたまま、浴室で死んでいた男。誤って赤ん坊を死なせてしまったという夫を信じて罪を肩代わりし、刑務所に入った母親。人身売買で起訴された犯罪組織のボスを弁護することになった新人弁護士。薬物依存症を抱えながら、高級ホテルの部屋に住むエリート男性。―実際の事件に材を得て、異様な罪を犯した人々の素顔や、刑罰を科されぬまま世界からこぼれ落ちた罪の真相を、切なくも鮮やかに描きだす。本屋大賞「翻訳小説部門」第1位『犯罪』で読書界を揺るがした短篇の名手が、真骨頂を発揮した最高傑作! 

人間の犯す罪とそれに与えられる罰との乖離。
司法も万全ではなくまた裁判官も殺した人殺された人と同じ人間だ。「参審員」、自分には到底つとまりそうにないなぁと思いながら読んだ。もともと不安定だった自分の足元が崩れていくような恐怖。
そして人間の内面は複雑で計り知れない。自分には理解できないような何かをなによりも大事にする人もいれば、人の命をいともたやすく奪う人もいれば、いたいけな少女を騙して恐怖を与え商売をする人もいる。
楽しい話ではないので自分のコンディションで陰鬱な気持ちになったり読み物として楽しめる時があるけれど、今回は面白く読んだ。

「青く晴れた日」「リュディア」「湖畔邸」が面白かった。