りつこの読書と落語メモ

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ぎやまん寄席 柳亭小燕枝・柳家小里ん兄弟会

9/26(木)、湯島天神参集殿で行われた「ぎやまん寄席 柳亭小燕枝・柳家小里ん兄弟会」に行ってきた。

・り助「二人旅」
・小里ん「黄金の大黒」
・小燕枝「長短」
~仲入り~
・小燕枝「無精床」
・小里ん「木乃伊取り」


り助さん「二人旅」
誰とも目を合わせない黒目がちな目で淡々と話しているんだけど、ところどころぐわっ!と面白い。たくまず面白い。なんだろう、これはいったい。
なにかこう…人里離れた山奥の老人と動物しかいない村から連れてこられた若者…みたいな…そんな野性味…。
二人旅がこんなに面白いって…ただものじゃない。

 

小里ん師匠「黄金の大黒」 
小燕枝師匠とともに内弟子だった小里ん師匠。その時の思い出をあれこれと。もうこれが面白くて面白くて!
笑ったのが、師匠のお宅では師匠夫婦が二階で寝て、小燕枝師匠と小里ん師匠は一階に二人で寝たんだけど、初めて泊まった晩に小燕枝師匠が「俺、どちらかというと女より男の方が好きなんだ。もしおれが布団に入ってきても大きな声は出すなよ」と一言。もうおそろくてその晩はまんじりともしなかった。
次の朝起きると小燕枝師匠が「お前…夕べ眠れなかったろう?ぐわははははは!!」

…おかしい!!笑った笑った。
そんなまくらから「黄金の大黒」。
奇しくも昼の落語会で聞いてきたばかりの噺。ふふふふ。楽しい~。

長屋の連中のどたばたがとっても楽しい。大家さんの家のごちそうで競り合う男たちの真剣さとばかばかしさ。最初から最後までテンポよくとっても楽しかった。


小燕枝師匠「長短」
風邪をひいてしまっていつもの美声をお聞かせできない、と小燕枝師匠。熱もあるらしく具合が悪そうで心配。
で、小燕枝師匠も前座時代の思い出をたっぷり。
内弟子をしていると師匠といる時間が長いから師匠と落語の話もたくさんできて勉強できるだろうと思われるかもしれないけど、それ以外の仕事がたくさんあるのでなかなかそうはいかない。ましてやこちらはたかが「前座」という身分。
通いの弟子は週に一回とか来ればいい。自分たちはずっといなくちゃいけない。それが辛かった。
脇の仕事も通いの弟子はいくらでもできたけど、我々は師匠が断っちゃうからできなかった。
そして師匠と一緒にいる時間が長いということは、それだけしくじる可能性も高いということ。

自分で「あれ?おれ、何を話そうとしていたんだっけ?」「こんなにまくらが長くなっちゃって小三治さんじゃあるまいし」なんて言いながら…でもこの話が本当に楽しくて。楽しかった~。

そんなまくらから「長短」。初めて小燕枝師匠を見た時が「長短」で、ハートを射抜かれたんだよなぁ。
とってもチャーミングな「長短」。かわいい!

 

小燕枝師匠「無精床」
「私のようなせこな頭でも月に2,3回は床屋に行ってます」。
前座時代に無精ひげを伸ばしていて師匠にぶちぶち抜かれた話やパーマをかけたらおかみさんをばかにしくじった話など。
床屋さんのまくらもとっても楽しかった。そんなまくらから「無精床」。

親方が理不尽に感じ悪く演じる人もいるけど、小燕枝師匠のは明らかにからかってる風で軽くて楽しい。笑ったのが頭をしめらす水にいるのがぼうふらじゃなくて違う生き物。「もうぼうふら飽きちゃったんだよ」に大笑い。

具合がわるそうな小燕枝師匠だったけど、時々せき込みながらも楽しい二席だった。

 

小里ん師匠「木乃伊取り」
「長いまくらのあとに”長短”なんて…あにさん、人間国宝をとるつもりですかね」に笑う。
大旦那、おかみさん、若旦那、番頭、頭、そして清蔵とキャラクターがくっきり。
特に清蔵のシャレの通じない固いところ。おかみさんの情にほだされて絶対に自分が若旦那を連れて帰ってやる!と肩に力が入るところがとてもリアル。
飯炊きっていうのは奉公人の中でも地位はかなり低いんだろうな。だから大旦那も若旦那も「お前ごときが何を言うか」という態度なのだ。
でもそれをものともせず迎えに行く清蔵の男らしさよ…。

それだけにお酒を飲んでだんだん楽しくなってきて花魁にお世辞を言われて天にも昇る気持ちになって浮かれるところがかわいらしい。

たっぷり見せてもらって満足~。