りつこの読書と落語メモ

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ヒョンナムオッパへ:韓国フェミニズム小説集

 

ヒョンナムオッパへ:韓国フェミニズム小説集

ヒョンナムオッパへ:韓国フェミニズム小説集

 

 ★★★★★

『82年生まれ、キム・ジヨン』の著者による表題作を収録!各世代の女性の共感を呼ぶ、7名の若手実力派女性作家の短篇集。

[目次]
「ヒョンナムオッパへ」チョ・ナムジュ
「あなたの平和」チェ・ウニョン
「更年」キム・イソル
「すべてを元の位置へ」チェ・ジョンファ
「異邦人」ソン・ボミ
「ハルピュイアと祭りの夜」ク・ビョンモ
「火星の子」キム・ソンジュン 

「ヒョンナムオッパへ」チョ・ナムジュ
「82年生まれ、キム・ジヨン」同様、あーなんだ思ったほど酷くはないじゃん、普通じゃんと思った後で、これを普通と思う自分にドキッとする。
「頼りがいがある」「私のためにやってくれている」が、自分に都合のいいように操っているだけ、と気づく主人公。
あからさまなDVではなくても、こんな風に誰かの行動や人間関係を制限するような関係性は日常的にある。それに気づくことが自立への第一歩なのかもしれない。

 

「更年」キム・イソル
身につまされたのが「更年」。主人公が感じる違和感は他人事ではなくて読んでいて痛かった…。でも彼女が感じる違和感や罪悪感は間違っていない。ラストは苦いけれどほんの少しの清々しさも。

そのほかにもノワール小説あり、バトルロワイヤル(!)あり、SFあり。
フェミニズム小説とあるので少し警戒しながら読んだけれど、バラエティに富んだ作品でとても楽しかった!
韓国の小説、ほんとに面白い!何を読むか迷ったら韓国小説を読もう、というのが最近の私。