りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

第二百四回 にぎわい座 名作落語の夕べ

9/7(土)、「第二百四回 にぎわい座 名作落語の夕べ」に行ってきた。

 

・南太郎「転失気」
・圓馬「菊江の仏壇」
~仲入り~
・小袁治「お神酒徳利」

 

圓馬師匠「菊江の仏壇」
病人を見舞うのは嫌いだと頑としてお花の見舞いに行かない若旦那。
大旦那が出かけて早速遊びに出ようとするのだが番頭に止められる。
番頭が遊んでいることに気づいていることを若旦那に言われ、挙動不審になるのがおかしい。固いように見えるけど実はそうではないことがうかがえる。
今日は絶対に外に出てはいけません、どうしても…というのならその女性をこちらに呼んではどうでしょう?と番頭。
そういわれて、そうか、それならいっそ店を早じまいにして店の者にも好きな物をとらせてやって酒を飲もう、と若旦那。
長いことやるわけじゃない、みんなでわっとやってそれで寝ちまおう、と。

好きな物を言えと言われた店の者がそれぞれに食べたいものを言うのだが、そのバラエティに富んでいること。最初は遠慮がちだったのがどんどん楽しくなってきてお酒も入って陽気になるのがとても楽しい。

そうかー。若旦那は困った人だけど店の者からしてみるとその気まぐれのおかげでめったに食べられないものが食べられてお酒も飲めて…嬉しいご褒美みたいな夜だったんだなぁ。

呼ばれて来た菊江は最初からちょっと居心地悪そう。若旦那が本当はお花の病状を心配しているんでしょう?ということをちらりと言うのがいいな。この一言だけでなんか菊江が好きになる。

その後の展開もとても落語らしくて楽しかった~。
お花と若旦那のところがあまりに深刻だと、このサゲとのギャップが大きすぎて、え?ってなるけど、最初から最後まで落語の世界なのでサゲのばかばかしさも無理なくなじむように感じた。


好きじゃない噺を圓馬師匠がどんなふうにされるのか興味津々だったんだけど、圓馬師匠らしい…ニュートラルな落語の世界。とても楽しかった!
同じ噺でも噺家さんによってこんなに印象が違うの、面白いなぁ。


小袁治師匠「お神酒徳利」
自分が入門したきっかけは小三治師匠。まだ小三治師匠が二ツ目の時に落語を教わりに行っていた。それで落語家になりたいと話したら、自分はまだ二ツ目で弟子はとれないから自分の師匠のところに入門したら?と言われた、と。
そうだったんだ!!知らなかった!

それから小さん師匠の話や先代の文楽師匠の話など。こういう話は本当に聞いていて楽しくてずっと聞いていたくなるなぁ。

そんなまくらから「お神酒徳利」。
お神酒徳利はいろんな形があるけれど、小袁治師匠のは八百屋さんが女中への意趣返しで徳利を隠して騒ぎになったところで出て行って「そろばん占い」で見つけ出す。それから旦那に説得されて旅に出て泊った旅館で五十両がなくなり旦那が「この先生は失せ物を探す名人」と言ってそこでも占いをしないといけなくなる、という話。

窮地に追い込まれた八百屋さんが夜逃げの準備をするところがおかしかった。
あと自分がやりましたと訪ねてくる女中は結構いい女なんだね(笑)。

今回は出演者二人で長講たっぷりだったんだけど、満足感が高かった!