りつこの読書と落語メモ

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七つのからっぽな家

 

七つのからっぽな家

七つのからっぽな家

 

 ★★★★

家庭や日常に潜む狂気をえぐりだす「家」をめぐる7つの短篇。国際ブッカー賞最終候補、ラテンアメリカ新世代の旗手の代表作。 

一話目を読んで、この母親、何かがあって一時的に正気を失っているのか、あるいは狂ってるの?と思いながら読んでいると、あーでも自分もほんの少し理性が飛んだら同じことをしそうだなと思う。

そもそも正常と異常の境目ってなんだろう?
自分が生きている「日常」にも異常なことは幾らでもある。これは今は正常、これはぎりぎりセーフ、こうなるとアウト、みたいな判断をしながら生きることのつまらなさをふと空しく思い、いやでもまだ私は…まだ!とも思う。

足元がぐらつくような不穏な短編集。「空洞の呼吸」が飛びぬけて凄かったけど、楽しそうに庭で走り回る裸族の両親の姿が目に焼き付いてる。

南米の作家だけどいかにも南米という感じはしなくて、むしろ最近の日本の若い作家に似た雰囲気。
面白かった。