りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

鈴本演芸場8月下席夜の部(5日目)

8/25(日)、鈴本演芸場8月下席夜の部(5日目)に行ってきた。

・ひこうき「狸札」
・喬の字「松竹梅」
・アサダ二世 マジック
・玉の輔「マキシム・ド・飲兵衛」
・喬之助「短命」
・正楽 紙切り
・小ゑん「下町せんべい」
・菊之丞「親子酒」
~仲入り~
・ニックス 漫才
・扇遊「一目上がり」
翁家社中 太神楽
・さん助「妾馬」

小ゑん師匠「下町せんべい」
わーい、小ゑん師匠!
最近寄席に若い女性のお客さんが増えた、というまくら。
「昭和落語心中」というドラマを見て「あらー粋な世界ねぇ。しかも落語家ってあんなイケメンなの?」って思って来るみたいですけど、最後まで待っててもイケメンなんかいませんから!きょうなんかトリがさん助だからね。田舎の馬子みたいなやつですから!

…ぶわはははは!!!
「田舎の馬子」って…言いえて妙過ぎて大爆笑。ツボにはまってしばらく笑いが止まらなかった。
そんなまくらから「下町せんべい」。
最初から最後までハイテンションでめちゃくちゃおかしい。
このせんべいやのおやじさんの江戸弁がすごくかっこいいんだ。江戸言葉フェチの主人公じゃなくてもキャーキャー言いたくなるの、わかる。
笑った笑った。

菊之丞師匠「親子酒」
菊之丞師匠も毎日違うネタをかけてくれてめちゃくちゃ嬉しい!
テッパン中のテッパン。もうほんとに目の前で大旦那がどんどん酔っ払っていくおもしろさ。
わかっていても全部笑ってしまう。楽しい~。

扇遊師匠「一目上がり」
わーん、扇遊師匠も毎日違うネタなんだようー。うれしいー。
こちらもテッパン。
弾むような高座。
最初にはっつぁんが来た時のご隠居の嬉しそうなこと。こういうところがもう全然違うんだなぁ…。
二人の仲の良さが伝わってくるし、教えてもらって「やってこよう」と飛び出すはっつぁんのうきうきした気持ちも伝わってくる。

さん助師匠「妾馬」
さん助師匠の「妾馬」はとても独自。そして聞くたびに違う。きっといろいろ考えて噺を構築しなおしているんだろうな。

お殿様がお鶴を見初めて家臣が井戸にいる八五郎に声をかけるところから。
素っ裸の八五郎は大家の家を聞かれて、今自分が何をしようとしていたか、ここの大家かいかにしみったれかをべらべら喋る。
家臣が大家を訪ねてお鶴のことを聞くと、最初粗相をしたのかと思った大家はお鶴を13歳と言うのだが、殿さまの妾にと言われると今度は18歳だと言う。そして八五郎の悪口をべらべら喋る。
これに家臣が「ここはおしゃべり長屋か!」というのがおかしい。
大家が八五郎宅を訪ねると、家賃の取り立てに来たと思った母親はわざとらしい仮病。「妾にしたい」と言われると自分が妾にされるのかと思ったり、激しい母親のリアクションに大笑い。

それからおつるが男の子を産んで八五郎がお城に呼び出されたことを大家が八五郎へ告げる場面へ。
お屋敷へ上がるところはわりと手短で一人だけお殿様の前に通された八五郎
酒宴の席にお殿様は同席せず次の間にいるのだが、声は聞こえるぐらいの距離感。
飲んでるうちにどんどん声が大きくなる八五郎三太夫が「大声を発しないように」と注意を繰り返すんだけど、八五郎がおつるに会いたい、赤ん坊の顔を見たいというと…。

この三太夫とのやりとりやおつると再会の場面はさん助師匠独自なんだけど、これがほんとにいいんだよなぁ…。
普通じゃないけど、兄妹の絆が見えるし、ならず者の八五郎のことをお殿様が気に入るというのもなんとなく理解できる。

さん助師匠らしい「妾馬」が見られて満足満足。
明日はなにかなー。