りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

さん喬・権太楼 特選集

8/14(水)、鈴本演芸場で行われた「さん喬・権太楼 特選集」に行ってきた。

・さん助「黄金の大黒」
・紋之助 曲独楽
・ほたる「真田小僧
・市馬「芋俵」
・一之輔「短命」
・のだゆき 音楽
喬太郎「同棲したい」
・露の新治「鹿政談」
~仲入り~
・ダーク広和 マジック
・権太楼「笠碁」
・正楽 紙切り
・さん喬「ちきり伊勢屋」


さん助師匠「黄金の大黒」
開口一番。
金ちゃんの「ごちそうっていうことは普段食べられないようなものが出ますか?」「白いおまんまにかつおぶしをのっけてその上に醤油をかけて…」の切実さに笑う。
羽織がないとごちそうにありつけないぞとなったときに金ちゃんが「みなさーん、おねがいしまーす。羽織お願いしまーす」「選挙演説かよ」に笑う。
大好きなサゲも聞けて満足。
明るくて軽くてよかった!


一之輔師匠「短命」
「普段寄席は当日券でぼーっとしたお客さんが多い。今日は前売りでこの時間から満員で。前のめりの客は…いやだ!」に笑う。
こちらは本気なんか出しませんよ。だらっとやって帰りますからぼーっと聞いてくださいよ、と言って「短命」。
前半部分はテンション低めでささっと流して中盤からぐわっと面白くなってくる。
もう「短命」がなんでこんなに面白いの?!って驚くほど面白くて笑いどおし。
一之輔師匠らしいクスグリがたくさん入ってて最高だった。


喬太郎師匠「同棲したい」
一門会やさん喬師匠がトリの芝居だと新作で思い切り弾ける喬太郎師匠。
この日も「かんぱーい!」「うまいっ!」「やっぱり発泡酒発泡酒だな!」
と最初からノリノリ。
自由自在で満員のお客さんをぎゅうっと惹きつける。すごい。
笑った笑った。


露の新治師匠「鹿政談」
大好きな師匠。
品があって芸がきれいで明るくて軽くて楽しい。
「鹿政談」も上方弁だとまた違った味わいがあっていいなぁ…。うっとり。
時々ギャグが入るのも楽しい。素敵だったー。


権太楼師匠「笠碁」
今まで見た権太楼師匠の高座の中で一番好きだったかもしれない。
強情なおじいさんもわがままなおじいさんもなんてチャーミングなんだ!
表情が豊かで動きがきゅっとしてるのがとってもかわいい。
喧嘩の激しさとその後の「言わなきゃよかった」の対比が見事で、お互いに「あいつは俺としか打てない碁だ」という確信がおかしい。
とても陽気だけど最後はじんわり。楽しかった!


さん喬師匠「ちきり伊勢屋」
初めて聴く噺。
1時間に渡る長講だったけれど素晴らしかった。物語の中に完全に引き込まれて目の前に苦しむ若旦那とそれを見守る番頭さん、彼が助ける父娘、親しくなった幇間の姿が次々浮かんでくる。
情感たっぷりなんだけどそれを引いて見ている視線もあるからほんとに目の前でお芝居を見ているよう…。
終わったときはしばし呆然。
これも落語なんですね…。長講より圧倒的に短くてばかばかしい噺が好きな私だけど、これはほんとにすごいものを見られた!という気持ちでいっぱいに。
素晴らしかった。