りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

圓橘一門会

8/11(日)、深川モダン館で行われた「圓橘一門会」に行ってきた。


・じゃんけん「無精床」
・楽麿呂「劇中の圓朝
・圓橘「ぽん太と圓朝
~仲入り~
・ぽん太「彰義隊とぽん太」
・圓橘「心眼」

じゃんけんさん「無精床」
じゃんけんさんを見るのは久しぶりだったけど、師匠にとっても似てきた!
ぱきぱきっとしたところとか、ギャグがすっと入るところとか。テンポと間がいいので思わず「ぶほっ」と笑ってしまう。
面白かった。

 楽麿呂師匠「劇中の圓朝
初めて見る師匠。
2年前に松竹の行った「 妖麗 牡丹燈籠 二幕」というお芝居で、圓朝役をやったときの話。
電話がかかってきてから、初顔合わせ、そして稽古を重ねて、巡業へ。
主演が山本陽子、佐藤B作って…すごい!
その時のエピソードをギャグ等を交えながら…ちょっと面白かったのが、この近くがちょうど深川まつりのお神輿の休憩所になっているらしく、わっしょいわっしょいの声が徐々に近づいてきたかと思ったら、三三七拍子。気が散るといえば気が散るんだけど、タイミングといいなんかぴったりでおかしい。
後半に自分が演じた圓朝とぽん太との会話の部分をやってくださったんだけど、なんか圓朝の言葉が心に沁みた。

圓橘師匠「ぽん太と圓朝
圓橘師匠はよくまくらで圓朝のエピソードを話してくださってそれがとても楽しい。

30人もの弟子を抱えて彼らが食べていけるように計らったり何度も引っ越しを重ねてどんどん邸宅を大きくしたりしただけのことはあって、商売上手な一面も。
そんな圓朝のエピソードにぽん太を絡めた新作。
圓朝のきれいで隙のない佇まいと、いかにも与太郎さんなぽん太の対比がとても落語らしくて楽しかった~。

ぽん太さん「彰義隊とぽん太」
ちょうど小説の「圓朝」を読んだばかりだったので、ぽん太という名前を付けてもらうってすごい!!と思ってしまう。
初代ぽん太はほんとの与太郎みたいな人物で圓朝にとても愛された弟子で、だから師匠に言いづらいことはみなぽん太に言わせていた、というエピソードがあったけど、このぽん太さんは与太郎っぽくない。機敏で気が利いて器用で「できる」イメージ。
彰義隊とぽん太」はぽん太さんの自作とのこと。
上野を官軍が囲み戦争状態に入りそこかしこが封鎖状態になり寄席に向かうことができなくなった圓朝
師匠が寄席に来ないことを心配した弟子たちが師匠宅へ向かおうとしたがやはり封鎖されていて向かうことができない。
事情をまるで呑み込めてないぽん太が周りが止めるのも聞かずに出かけていくと、案の定官軍に捕まってしまう。
しかし官軍の中に落語の好きな者がいて「これは圓朝の弟子のぽん太だ」と言って庇ってくれる。
そしてせっかくだからここで落語をやれと言われたぽん太は…。

おおお。面白い。本当にあったエピソードを使って、噺家ぽん太を登場させる…メタ落語とは。


圓橘師匠「心眼」
この噺も圓朝作だとは知らなかった。
プログラムを渡されて今日のトリネタが「心眼」だと知って、圓橘師匠の「心眼」…これはすごくいいだろうなぁと思っていたのだが、想像通り…いや想像以上に素晴らしかった。
梅喜の心の変化がもうとてもリアルで人間臭くて…。
目が見えるようになってからのあれこれは見ていて「ああっ」と声が出てしまうほどなんだけど、でもこれが人間だよなぁ…というなにかこう愛おしさのようなものもわいてくる。
サゲもさらっと言ったのが鳥肌もんだった。よかったーーー。