りつこの読書と落語メモ

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圓朝

 

圓朝

圓朝

 

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裏切り、怨念、なんのその! 落語の神様――三遊亭圓朝の激動の人生を、新田次郎賞&本屋が選ぶ時代小説大賞W受賞の奥山景布子が描いた傑作長篇。「牡丹灯籠」「真景累ヶ淵」など数々の怪談、人情噺を残し、江戸と明治を駆け抜けて、芸能の怪物となった三遊亭圓朝。しかし、その実人生は「まさか」の連続だった。師匠に嵌められ、弟子は借財まみれ、放蕩息子は掏摸で逮捕。売れない修行時代から、名人にのしあがった晩年まで、不屈の魂に燃えた〈大圓朝〉、堂々たる一代記。落語の神様もつらいよ! 

今でも大ネタとしてかけられることの多い圓朝物がどういう風にしてできたか、時代の空気や圓朝の生きざまが生き生きと描かれていて、とても読みやすく面白かった。
また自分の師匠との軋轢や大勢いた弟子との関係も興味深かった。変に気取って書かれていないところが好きだな。そして自分が好きな噺家さんや慣れ親しんでいる名前が次々出てきて(圓馬、圓橘、萬橘、圓太郎、ぽん太)、おおお!となる。こうやって名前が引き継がれていくっていいなぁ…。

読み終わった次の日が圓朝の命日でその日に圓橘一門で圓朝ゆかりの噺が聴けたのもとてもよかった。

落語のまくらやなにかで圓朝のエピソードを聞くことはあったけれど、こういうふうに人生を物語で読んで、私のもやもや頭でも少し理解が深まった気がする。
圓朝物はだいたい苦手なんだけど、苦手意識が少しなくなったかもしれない。(ような気がする)