りつこの読書と落語メモ

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悪意

 

悪意

悪意

 

 ★★★★

「トム」、夜中にかかってきた一本の電話、それは二十二年前に死んだはずの息子からのものだった。「レイン」、亡くなった著名な作家の遺作には母国語での出版を禁じ、翻訳出版のみを許可するという、奇妙な条件が付されていた。「親愛なるアグネスへ」、夫の葬式で久し振りに会ったかつての親友、二人の交わす書簡はやがて……。デュ・モーリアの騙りの妙、シーラッハの奥深さ、ディーヴァーのどんでん返しを兼ね備えた傑作短編集。 

サスペンスの中・短編集。2段構えだし楽しい話じゃないので読むのに時間がかかってしまった。嫌な話だけどどれも面白かった。

「トム」
ヒッチコックの映画のような、クラッシックなサスペンス。読んでいて、この夫婦には何か裏がありそうだなと思っていたら、やはり…。
ラストにぞぞぞ。


「レイン ある作家の死」
2つの物語が交錯していて、語り手の翻訳家も今一つ信頼できなくて、現実なのか物語なのかもやもやするところもあったが、読み応えがあって面白かった。

「親愛なるアグネスへ」
女同士のこういう歪んだ友情って結構よくあることで、特に気の強い者同士…小中学生ぐらいにはあることだけど、それがずっと続くとこんな風に…。
二人の手紙とアグネスの一人語りのパートが交互に綴られ、この結末。見事。

 

サマリアタンポポ
これだけは、読んでいて真相がわかったぞ。わかると嬉しいけど、たいしたことなかったなと侮ってしまう、読者の勝手さよ。