りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

第376回 圓橘の会

7/27(土)、深川東京モダン館で行われた「第376回 圓橘の会」に行ってきた。

・まん坊「開帳の雪隠」
・圓橘「寝床」
~仲入り
・圓橘 圓朝作怪談「牡丹燈籠」その6・お札はがし

圓橘師匠「寝床」
文楽師匠の出囃子で登場。
文楽師匠の義太夫は楽屋で「寝床」呼ばわりされていたというまくらから「寝床」。

圓橘師匠の旦那は本当に威厳があってきちんとしていて恐いので、それが最初のうちこれから自慢の義太夫を語れると思ってウキウキ嬉しそうだったり、お客が来ないと聞いてどんどん不機嫌になったり、使いに行った者を叱り飛ばしたりするのがもうとってもリアル。
普段は優して慈悲深い旦那なんだろうなぁというのが伝わってくるだけに、本当に気を悪くして感情的に怒り出すのには、震えあがってしまう。

すっかりご機嫌を損ねたところに、長屋の連中が全員やってきてそれを番頭から伝えられると、「芸っていうのはそういうもんじゃないんだ!」「こちらが語りたい、あちらが聞きたい、それがぴたっとあって初めていい芸ができる」。
そう言われて番頭が「ああそうですか」と下がろうとすると「おいっ!待て!」「お前はどうしてそう正直なんだ。言われたことをそのままうのみにするな」。

…ぶわはははは!!怒り方が激しいだけにこのセリフはおかしい。
そして「提灯やはそんなに楽しみにしているのか?」と言って「仕事が手に付かないそうです」と言われると「私は商売でやってるわけじゃないから。だからその分芸に欲がないんだな」。
この根拠のない自信がすごくおかしい。そして根本にその自信があるから、どんなにくさされてもまた立ち直ってすぐにやりたくなるんだろうな。
時折うたってみせるそのすさまじさもおかしくて、最初から最後まで大笑いだった。


圓橘師匠 圓朝作怪談「牡丹燈籠」その6・お札はがし
お札はがしは何回か聞いているけれど、怖かった…圓橘師匠のお札はがし。

何が怖いって二人の女がからんころんと下駄の音をさせて牡丹燈籠を持って出てくるところ。
女中のお米の話し方がとても静かでなんともいえず不気味。ぞぞぞ…とする。
そしてお露の方はとにかく新三郎に会いたいというただそれだけ。お米が「あんな不義理な人はもうやめなさい」と言うのだが、とにかく会いたいの一点張り。その一途な思い故の焦がれ死にだったのかと思うと、その一途な思いも怖い。

また伴造をそそのかす女房のおみね。しっかり者でからっとした性格に見えるけれど、恩のある新三郎に何かあったとしても自分たちが百両せしめられれば…と考える恐ろしさ…。
圓橘師匠が「女というのはあんまり貧乏が続くとこういうことを言い出したりするんですね…だから私もあんまり女房には貧乏させないように…」と言ったのがおかしかった。

2か月ぶりの圓橘師匠の会、楽しかった!