りつこの読書と落語メモ

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郝景芳短篇集 (エクス・リブリス)

 

郝景芳短篇集 (エクス・リブリス)

郝景芳短篇集 (エクス・リブリス)

 

 ★★★★★

SFと詩的な視覚表現の融合。中国社会と現代都市の奇想天外な投影。ヒューゴー賞受賞「北京―折りたたみの都市」ほか、社会格差や高齢化、エネルギー資源、医療問題、都市生活者のストレスなど、中国社会を映しだす全7篇。 

面白かった。「北京―折りたたみの都市」はケン・リュウ編アンソロジーのタイトルにもなっていたので気になっていたのだが、抒情的なSF(あくまでも私の印象)でとても好みだった。格差社会をこのような形で見せられるとは。読み終わってしばし茫然。

一番好きだったのが「弦の調べ」と「繁華を慕って」。特に「弦の調べ」のクライマックスシーンの美しさ。都市が折りたたまれていく様子や宇宙に向かって弦の調べがどんどん大きくなっていくところ…ストーリーは忘れてもそのイメージは頭に残る気がする。「繁華を慕って」で意外な真相が明らかになる仕掛けもよかった。