りつこの読書と落語メモ

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三人の逞しい女

 

三人の逞しい女

三人の逞しい女

 

 ★★★★

フランス文学最高峰ゴンクール賞受賞作。父に捨てられた弁護士のノラ、移住先で教師の職を捨てなければならなかったファンタ、夫を失ったカディ・デンバ。悩み、悲嘆に暮れ、疑念に駆られ、騙され、無力な怒りに苛まれ、ときに辱められていく三人の女たちの絡み合う生を描く、フランス最重要作家の傑作小説。 

3つの物語が収められている。フランス人の母とアフリカ系の父を持つ弁護士のノラ。アフリカ系の妻を連れてフランスに帰って来てキッチン設備の会社に勤める元教師。夫と死別して義理の親の家を追い出されフランスに渡る女。
どの物語にも共通するのは移民、難民の問題。アフリカ系の人とフランス人で結婚して子どもも生まれるのだが、生活がうまくいかなくなると二人の間がぎすぎすしてきて疑念や迷いや反感が生じてくる。

「逞しい」という言葉で括ることに疑問を感じるほど、ここに描かれる女性たちは傷つき損なわれ無力感に襲われているように見える。しんどいのは何も女だけではないのだけれど、自分の側に選択のチャンスがないこと…いや選択はしたけれど後戻りができないこと、そこに生きづらさを感じる。

しんどい物語だった。