りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

雲助・白酒親子会

文京シビックホールで行われた「雲助・白酒親子会」に行ってきた。

・こはく「たらちね」
・白酒「お茶汲み」
・雲助「千両みかん」
~仲入り~
・雲助「夏泥」
・白酒「笠碁」

こはくさん「たらちね」
今楽屋ではどちらがトリをとるかの話し合い…押し付け合いが行われています、とこはくさん。
みなさん、プログラムを信用しちゃいけません。プログラムでは雲助師匠がトリになっていますが、トリであられが出てくる恐れもあります。

…ぶわははは!いつの間にこはくさんこんなにこなれたまくらをやるように?
白酒師匠のお弟子さんらしく毒気もあるのが面白い。
その後に「なにより不思議なのはご夫婦の縁」と全く関係のないまくらを振ったので会場が笑いに包まれたのだが、物ともせずそのまま推し進めたのもおかしかった。
堂々とした「たらちね」。
そういえば私はこはくさん…前座時代ははまぐりさんの初高座を見たことがあったので、あの時のさわやかハンサムが今ではこんなに堂々と…と感慨深かった。


白酒師匠「お茶汲み」
自分が噺家になって何が寂しいってもうお客には戻れないこと。
一度でいいからまた客席にまわって、アンケートにくそみそに書いてみたい。

そんなまくらから「お茶汲み」。
いやもう楽しい楽しい。吉原でもてたという話を聞かされて「なんだよのろけかよ!」と途中で何度も遮る男を「まぁまぁ最後まで聞いてくれよ」。
まくらが効いていて、だまされたふりをして楽しむ男と、それを聞いて自分もわくわくとだましに(だまされに?)行く男。
二度目に来た男の身の上話を聞いて「あー、はいはい」としらけた花魁の反応からサゲへの流れがすばらしい。楽しかった!


雲助師匠「千両みかん」
親子会というと本当の親子だと勘違いする方もいらっしゃいますが、そうじゃありません。師匠と弟子の会を親子会と言うわけで、この親子会というのは大変ありがたい。なぜなら「トリはお前がやれ」と言って逆らわれる心配がないですから。
そう言って「千両みかん」。
おおお。雲助師匠の「千両みかん」は初めて!ああ、でも…龍玉師匠の「千両みかん」はきっと雲助師匠から教わったんだろう。
みかん問屋が関西弁なのも、最初に「このみかんは差し上げます」と言うのも同じ。
龍玉師匠のを聞いた時に、あんまり聞かない形だな、と思ったのを覚えているので、なんか答え合わせができたようでうれしい。
番頭さんがおっちょこちょいなのが最初にも最後にも伝わってきてなんとも憎めない。
磔の様子を微に入り細に入り説明されて震えあがる番頭さんが気の毒だけどすごくおかしい。
落語らしいサゲで大好き。


雲助師匠「夏泥」
雲助師匠の夏泥は、泥棒からお金をもらった男が「すまねぇなぁ。ありがとよ~」という繰り返しが音感といいリズムといいたまらなくおかしい。
最初から最後まで一つの流れができていて、聞いていて一度も落語の世界が途切れることがない安心感。
楽しかった。


白酒師匠「笠碁」
白酒師匠の「笠碁」は二回目。
おじいさん同士がまだ少し若々しくて意地の張り合いにも元気がある(笑)。
笠をかぶってみると身体が収まりきれてないというのも白酒師匠独自でたまらなくおかしい。
「ざる!」「へぼ!」の言い合いも激しいのに、「だったらこれから勝負するか?」と言って入ってくるともう嬉しくて嬉しくて…その気持ちが溢れているのがいいなぁ。
すごく白酒師匠らしい「笠碁」。よかった~。