りつこの読書と落語メモ

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ピュリティ

 

ピュリティ

ピュリティ

 

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ピップ・タイラーは23歳。高額の奨学金ローンを抱え、自宅はアナーキストたちとのシェアハウス。仕事は歩合制の電話営業。ただひとりの身内である母親は、どうも偽名を使っているらしく、さらに父親が誰なのか教えてくれない。父親についてわかるのではないか―そんな希望をもって、ピップは南米に本拠地を置く情報公開組織“サンライト・プロジェクト”に参加し、謎めいたリーダー、アンドレアス・ヴォルフを知る。ヴォルフは彼女にある秘密を打ち明けるのだが…秘密と嘘、理想主義、正義と不正、愛情、憎悪、そして殺人―壮大なスケールで織りなされる現代版『大いなる遺産』。 

相変わらずの分厚さ!凶器になるよ、これ。

ジャーリズム、インターネット、東と西、フェミニズム、と様々なことが語られるが、とどのつまりは家族、親子、ひとりひとりの人間の物語なのだった。

インターネット界のカリスマも母親との歪んだ関係に苦しむ男だし、トムの章では怪物にも見えたアナベルも純粋さを追求して身動きが取れなくなった女だし、人生を台無しにされたと感じるのは相手を愛していたからなのかもしれない。

一番の被害者に見えるピップが前に進む姿が清々しい。面白かった。