りつこの読書と落語メモ

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フィフティ・ピープル (となりの国のものがたり)

 

フィフティ・ピープル (となりの国のものがたり)

フィフティ・ピープル (となりの国のものがたり)

 

 ★★★★★

痛くて、おかしくて、悲しくて、愛しい。50人のドラマが、あやとりのように絡まり合う。韓国文学をリードする若手作家による、めくるめく連作短編小説集。 

 読み始めてすぐに好き好き!これすごくいい!!と思って、図書館本だったんだけど昼休みに本屋さんに行って購入。同じ本を二冊抱えて家に帰ってくることになった。

韓国の首都圏の大学病院の周辺に住む51人の物語。

事故で大切な人が重体になっていたり、恋人にふられて絶望したり…暮らしのレベルや抱える問題はそれぞれ。
誰もが自分の物語の中では主役なんだなぁ。同じ人が他の人の物語にひょいと現れると印象がまた違ってその人の別の一面も見られるという作りも巧み。

なによりも作者のまなざしが優しくユーモアに満ちていて読みながら何度も声を出して笑ったり泣いたり。

パワハラや欠陥工事、劣悪な労働環境などままならないことが沢山あるけれど少しずつでも良い方向に繋いで行けたらいい。素晴らしい作品。大好きだ。

国同士にいざこざがあってもそこに暮らす人たちは私たちと何ら変わるところはない。善意にあふれた人がたくさんいて葛藤しながら一生懸命生きてる。
反韓の人にこそ読んでもらいたいと思うけれど、そういう人はこういう本を手に取ることもしないんだろうな、と思うと悲しくなる。