りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

聖者が街にやって来た

 

聖者が街にやって来た

聖者が街にやって来た

 

 ★★

企業誘致に成功し、タワーマンションも林立して人口が急増する神奈川県多摩川市湧新地区で、小谷桜子は古くから花屋を営んでいる。十七歳の娘・菫子が市民の結束を目的に企画されたミュージカルの演者に選ばれた。新旧の住民が入り交じり盛り上がっていく街。だが、水を差すかのように若い女性が立て続けに殺される。それぞれの遺体近くには異なる花びらが一片だけ、なぜか残されていた。犯人が捕まらず、謎も不明なまま、街に不穏な空気が満ちるなか、今度は菫子が何者かに誘拐されてしまう。格差、母子家庭、LGBT、子どもの貧困、タワマン、危険ドラッグ…。ニッポンの“今”を鋭く照らす傑作長編!

前回読んだ「少女たちは夜歩く」がとても良かったのでそれに比べると少し物足りない。

前向きで屈託のない女子高生、ハンサムで頭はいいけど裏のある男子、人情に厚いオカマちゃん、熱血な刑事、天才的な才能に恵まれ奔放なピアニスト、と人物があまりにもステレオタイプ過ぎやしないか。

動機もなんかあまりにもありふれているし、全体的に下町っぽい優しさに包まれているのでスカッとした後味だけど冷静に考えたらかなり酷い話だぜ、おい。
読みやすくて一気読みしたけど、あんまり頭に残ってない。あ、幻冬舎なんだ。ふっ。