りつこの読書と落語メモ

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夢も見ずに眠った。

 

夢も見ずに眠った。

夢も見ずに眠った。

 

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夫の高之を熊谷に残し、札幌へ単身赴任を決めた沙和子。しかし、久々に一緒に過ごそうと落ち合った大津で、再会した夫は鬱の兆候を示していた。高之を心配し治療に専念するよう諭す沙和子だったが、別れて暮らすふたりは次第にすれ違っていき…。ともに歩いた岡山や琵琶湖、お台場や佃島の風景と、かつて高之が訪れた行田や盛岡、遠野の肌合い。そして物語は函館、青梅、横浜、奥出雲へ―土地の「物語」に導かれたふたりの人生を描く傑作長編。 

沙和子と高之の12年間。

ずっと変わらないものなんてないし、ずっと続くことを約束されている関係なんていうものもない。

分かり合い寄り添っていたはずなのに、それぞれが変化しすれ違い疲弊していく。「結婚」なんてほんとにただの「約束」でなんの意味もないし保証もないのだということを思い知らされる。
人の心は移ろいやすく「絶対」なんてないのだ。
最初読んでゆるぎないものを感じた高之の方がこんなことにあるとは…。

久しぶりに高之と一緒にたびをして「この人のこういうところが嫌だったのだ」としみじみ思う沙和子の気持ちがよくわかる。

これが「夫婦」そして「縁」というものなのだろうか。もやもやした後味だけどとても面白かった。