りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

中野新橋寄席

3/28(木)、八津御嶽神社で行われた中野新橋寄席に行ってきた。


・小はぜ「人形買い」
・今松「松竹梅」
~仲入り~
・今松「石返し」


小はぜさん「人形買い」
最初から最後までたっぷり。前に聴いた時より格段におもしろくなってるし、占いも講釈もお見事。
でもちょっと長いかなぁ…。
私のようなマニアは通しで聴けてうれしいけど…。それほど笑いどころのある噺じゃないからもう少し刈り込んだ方がいいような気もしたな。

今松「松竹梅」
この日のこの会、落語の後に何か別の会がある関係で、普段はない机が置かれて、ふだんと違う雰囲気。
会議の席で体を斜めにして講師の話を聞いてるような雰囲気。
それを見て「ちょっといつもと感じが違いますね」と言ってから「でもいいです。みなさんこちらを見て下さってますから」。
ニツ目の頃にやったバス旅行の仕事では、バスの中で小噺やなぞなぞ。これはまだいい。みんながこちらを見てくれているから。
宿に着いてからの宴会の席での落語。これがやりづらい。これもね、酔っぱらいはまだいい。こちとら慣れてますから。
噺をしている間に鍋が運ばれてきたのにはまいった。みんな鍋の方に目が行っちゃって落語どころじゃない。鍋には勝てない。

それから結婚式の司会の仕事をした時の話。
あれはどうしてああも胡散臭いのか。そんなまくらから「松竹梅」。

不器用な松さんが思いのほか表情豊かで驚く。そうかー。淡々と話しているように見えるけれど、ちょっとした動きや表情がとても豊かなんだ。だから伝わるんだ。
コンパクトで軽くて楽しい「高砂や」だった。


今松師匠「石返し」
初めて聴く話。
与太郎が父親に言われて汁粉屋を始める。
大通りを流しても汁粉なんか買ってくれる客はいない。できるだけ裏通りに回れと言われ、ばかに寂しい通りで「しるこー」と売り声をあげると、屋敷の上の方から侍が声をかける。
「全部買ってやるから今からおろす鍋の中に汁粉を全部入れて餅は蓋の上に乗せてくれ」。
与太郎がそうすると、するするすると鍋を引き上げた侍。
お代をもらおうとすると「こちらまで回ってくるのは大変だろうから、門の所に門番がいるからそいつからもらえ」。

門番の所に行ってみると、「あそこに住んでるのは人間じゃない。狸。下ろしてきたのは鍋じゃなく狸の金。狸に化かされたんだからその金をおれが払ういわれはない」とけんもほろろ
最後はどやされて家に帰る。
父親に話をすると「そこは番町鍋屋敷というところだ。たちの悪い侍がそうやってただ食いをするからあそこに売りに行く商人はいないのだ」と言う。
よしじゃ仇を売ってやるから一緒に来い、と父親はそば屋の荷物を持って出かける。
そばの売り声にまた屋敷の上から同じ侍が「全部買ってやるから鍋の中にそばを入れろ」とおろしてくる。
父親はそこにそばのかわりに…。


「石返し」(意趣返し)なんていうからちょっと色っぽい噺なのかなと思っていたら、ごくバカバカしい噺だった。楽しい~。
今松師匠の与太郎、ニコニコご機嫌でかわいいなぁ。なんか手をグーにしてあげるしぐさもやけにかわいくておかしかった。