りつこの読書と落語メモ

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芥川龍之介選 英米怪異・幻想譚

 

芥川龍之介選 英米怪異・幻想譚

芥川龍之介選 英米怪異・幻想譚

 

 ★★★★★

気鋭の研究者と当代随一の翻訳家がタッグを組み、芥川が選んだ「新らしい英米の文芸」を蘇らせる!旧制高校の英語副読本として編まれたアンソロジー八巻より、二〇の短篇をさらに精選。ポーやスティーヴンソンから本邦初訳の作家まで、芥川自身の作品にもつながる“怪異・幻想”の世界を全て新訳で堪能する。イェーツやキャロルなどの芥川による翻訳も収録。 

 芥川龍之介旧制高校の生徒のために編んだ英読本を芥川研究者の澤西祐典さんと柴田元幸さんで選び翻訳し直した作品集。

古風な作品が多いが、奇想短編に飽きた読者にはむしろ新鮮。
芥川は海外の作品をこんなに熱心に読んでいたということにも驚くが、その作品がこれらの幻想的な作品の影響を多大に受けて書かれた物と言うことにも驚く。

オスカー・ワイルド「身勝手な巨人」、ダンセイニ卿「追い剥ぎ」、スティーヴンソン「マークハイム」、ビアス「月明かりの道」、マシューズ「張り合う幽霊」、ウェルズ「林檎」、ビアボーム「A.V.レイダー」、ブラックウッド「スランバブル孃と閉所恐怖症」、オサリヴァン「隔たり」、グッドマン「残り一周」がよかった。

芥川の「馬の脚」もよかった!また芥川が「不思議の国のアリス」に心酔していたと言うことにも驚いた。まさか芥川役の「不思議の国のアリス」が読めるとは。