りつこの読書と落語メモ

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愛人 ラマン

 

 

愛人 ラマン (河出文庫)

愛人 ラマン (河出文庫)

 

 ★★★★★

18歳でわたしは年老いた―。あの青年と出会ったのは、靄にけむる暑い光のなか、メコン河の渡し船のうえだった。すべてが、死ぬほどの欲情と悦楽の物語が、そのときからはじまった…。仏領インドシナを舞台に、15歳のときの、金持の中国人青年との最初の性愛経験を語った自伝的作品。センセーションをまきおこし、フランスで150万部のベストセラー。J・J・アノー監督による映画化。 

時系列や人称がバラバラだったり、起こった出来事をこちらがすでに知っていると思っているかのような書き方になかなか慣れることができず、行きつ戻りつして読んだのでとても時間がかかった。

絶望に飲み込まれたような母と暴力的な長兄、見捨てられたこどものような彼女と2番目の兄。そんな家族への復讐のように金持ちの中国人の愛人に身を委ねる少女。

少女より愛人の方が痛々しく見えるのは彼が少女への恋慕を隠せなかったせいなのか。あるいは、本当は圧倒的に弱い立場にいる彼女が、プライドを保つことだけに必死にすがっていたからそう見えるのか。

お互いに与えるものと奪われるものがあったのだろうが、この経験があったから彼女は小説家になれたのだと思ったが、作者自身があるいはそう納得したかったのかもしれない。