地球星人
★★★
私はいつまで生き延びればいいのだろう。いつか、生き延びなくても生きていられるようになるのだろうか。地球では、若い女は恋愛をしてセックスをするべきで、恋ができない人間は、恋に近い行為をやらされるシステムになっている。地球星人が、繁殖するためにこの仕組みを作りあげたのだろう―。常識を破壊する衝撃のラスト。村田沙耶香ワールド炸裂!
うわ、これはあかん。
家族からの虐待、塾の講師からの性的虐待という主人公が受けてきた現実が酷すぎて、その後のぶっ飛んだ展開でも昇華しきれない。
労働と繁殖を強いてくる「地球星人」に「宇宙人」として反撃するけれど、彼らの異常さよりも、主人公の母と姉の醜悪さの方が気持ち悪くて、嫌悪感しか残らなかった。
その後の展開を見ると彼らは現実があまりに辛いから想像の世界に逃げていたわけじゃなく真に宇宙人だった?現実と想像を切り分けて考える時点で今ある価値観に囚われている証拠?
結局私も今の価値観から出られないということなのかもしれないが、ちょっと私には理解しがたい世界だった。