りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

小助六・音助 スケスケ兄弟会

1/19(土)、日暮里サニーホールで行われた「小助六・音助 スケスケ兄弟会」に行ってきた。


・晴太「黄金の大黒」
・小助六「紋三郎稲荷」
・音助「小言幸兵衛」
~仲入り~
トーク(音助、小助六
・音助「のめる」
・小助六木乃伊取り」


晴太さん「黄金の大黒」
素直な落語で、独自なギャグをたくさん入れてきているわけじゃないんだけど、若い連中のわいわいがやがやがとても楽しい。
大好きな前座さん。


助六師匠「紋三郎稲荷」
花座に行ってきた時の話。
お酒は好きだけど記憶をなくしたりしたこともなくて酒の癖が悪くないことが自慢。
それが花座に行った時に飲んで翌朝。ベッドの上にコンビニの袋があって中にはヘパリーゼとR-1が。自分で買った覚えがないので誰かが忘れて行ったのかと思って楽屋に持って行きみんなに聞いたけどみんな「知らない」と言う。
えええ?じゃ自分で買ったの?まさかーー。
そう思っていたらお囃子のお姉さんが一言。「サンタさんかもよ」。
確かにその日は12月25日。R-1は赤と白のサンタクロースカラー
サンタさんだったのか…。どちらにしても今自分に一番必要なのはこれ(ヘパリーゼとR-1)だった。

…ぶわはははは。
あと、寄合の後に浅草で昼間から飲んだ話もおかしかったー。
仲良しの噺家さんたちで3時間ぐらい居座っていたら店員に感じ悪くされて最後は「もう帰ってくれ。浅草のルールを知らないのか」と言われ、怒った里光師匠が「なに言うとんじゃ!あんちゃん20代やろ?俺は20年前から浅草で仕事しとるんじゃ!浅草のルールはこっちの方がしっとるわ!」と、明らか関西弁で啖呵を切ったというのが、かっこいいやらおかしいやら。
好きだー。里光師匠。

そんなまくらから「紋三郎稲荷」。
中に入っているのは狐じゃないかと怯える駕籠屋の二人と、それを聞いて面白がって狐っぽく振る舞う侍。
狐を信仰している宿屋に泊って下にも置かぬ扱いを受けて賽銭までもらってしまうばかばかしさ。
楽しい~。大好き、この噺。小助六師匠と小せん師匠でしか聴いたことないな。


トーク(音助さん、小助六師匠)
登場の時に鳴っていた音楽が二人が席についても鳴りやまない。
あれ?なんで?いつまで流すの?と小助六師匠。話し始めても音楽が鳴っていて、んん?となっていると音が大きくなって歌詞が♪HAPPY BIRTHDAY♪
今日は小助六師匠の誕生日!ということで、晴太さんがバースディケーキを持って登場!うわーーーい。
「え?知ってたの?」と小助六師匠がきくと「もちろん」と音助さん。「だからお前は信用できない」に笑う。

今まではお客さんに質問を書いてもらって二人がそれに答えていたんだけどそうするとトークの時間が長くなってしまうので今回はそれはなし、ということで。
晴太さんに「なんか聞きたいことある?」と小助六師匠。「え?いきなりっすか?」と晴太さん。「急に聞かれても思いつかない…」と言いながらも「潔癖症で困ることありますか」(ナイス質問!!)。

それに対して小助六師匠が、前座さんに扇子を渡されるのが嫌、と。
扇子は口に入れたりするから人に触られたくない。だからわざわざ手拭いとは別にして見つからないようにカバンに仕舞っているのにわざわざ探して出してくる人がいてそれがいや、と。
楽屋で出されるお茶も飲まないという小助六師匠。何が入ってるかわからないから、と。うおおお。
「それは自分が前座時代に悪いことしてたからじゃないんですか」という音助さんに、自分はとてもちゃんとお茶を入れていた、と小助六師匠。
そんな話をしていたら音助さんが「私も結構気にしない方だけど、晴太さんはもっとすごい。さすがの私も”そこは靴履いた方がいいんじゃない?”とか言うことがあるくらい」。
「気にしないよな?」と聞かれた晴太さんが「はい。全然気にしません」。
ぶわはははは。
それ以外にも晴太さんの太いところが垣間見られたのも面白かった!
落語を聴いていてただものじゃないと思っていたけど、やっぱりただものじゃなかったな。

あと今年挑戦したい噺は…というのに音助さんが「七段目」。小助六師匠が新作を教わってやってみたいというのが意外で面白いなぁと思った。聞いてみたいな。小助六師匠の新作。


音助さん「のめる」
音助さんってきれいだし芸も端正だけど、なんかちょっととぼけたところがあって、そこがすごく面白い。
「のめる」もおっちょこちょいのちょこまかしているところがなんともいえずおかしくて大笑い。
楽しかった~。
こういう噺をもっとやればいいと思う!(勝手な意見)


助六師匠「木乃伊取り」
最初から最後までとっても面白い。合ってるんだな、小助六師匠にこの噺。
堅い大旦那と息子に甘いおかみさん。この二人の会話が自然で夫婦の姿が目に浮かぶよう。
清蔵が吉原に迎えに行って若旦那と対した時。若旦那が清蔵にキレて「暇をやる」と言いだす場面が私がどうにも苦手でイライラしちゃうんだけど、小助六師匠のはそこがさらっとしていて好きだな。なんだろう。主人面してそう言ったというよりは、吉原で粋に遊んでいるのにそこに入ってきて雰囲気を台無しにしたからキレたんだなというのが見ていて伝わってきたのは、程がいいから?なのか。あるいは小助六師匠が若旦那キャラだからか?

帰るよと若旦那が言ってくれて清蔵がほっとして付き合いで酒を飲んで三杯目で「うまい酒だな」とようやく気づいて味わいだして周りを見る余裕ができるのも面白い。
芸者に甘い言葉を言われてちょっとその気になったら訛りが消えて「いざという時のために練習してる。今がその時だ」というのがめちゃくちゃおかしい。

楽しい「「木乃伊取り」だった!
助六師匠の落語はしなやかで華やかでいいなぁ。

前座さん含めて三者三様、とてもいい会。また来年も行きたい。