りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

さん喬師弟八人会昼の部

12/24(月)、日経ホールで行われた「さん喬師弟八人会昼の部」に行ってきた。

・一猿「商売根問」
・喬志郎「ドクトル」
・左龍「佃祭」
喬太郎「偽甚五郎」
~仲入り~
・さん喬「寝床」
・さん助「景清」


一猿さん「商売根問」
ふつうにやってちゃんと面白い。いいなぁ一猿さん。


喬志郎師匠「ドクトル」
さすがにもう少しどうにかしたほうがいいのでは…。面白い面白くないは好き好きだからしょうがないけど、いたたまれないっていうのは勘弁してほしい。
これは喬志郎師匠の作った新作なの?あまりにも内容がないよう…。面白いのが手をぐるんぐるん回すとマイクがその音を拾ってブンブン言うところだけっていったい…。
助手の名前を「稲葉くん」にして笑いを取ってたけどどうかと思うぜ。

左龍師匠「佃祭」
ああ、ほっとする…。左龍師匠ありがとう…。不安な気持ちを払拭してくれて感謝。
季節外れな気がしないでもないけど、とても気持ちのいい「佃祭」で、送ってくれて去って行く船頭の後ろ姿が目に浮かぶようだった。
与太郎の悔みには涙が出た。よかった。


さん喬師匠「寝床」
さん喬師匠の「寝床」は何回も見ているけど、見るたびに少しずつ変わっていて、ああ、得意ネタでもいつも同じじゃないんだな、と思う。
今回は声試しがいつも以上の激しさで笑い成分多め。
最初は優しくていろんな人のことを思いやっていた大旦那がどんどん不機嫌になっていくの…まるで師匠自身の姿を見てるようで、笑った笑った。


さん助師匠「景清」
昼の部のトリがさん助師匠ということを会場に着いて知ってガッツポーズ。うれしい~。
「鼠穴」かなと思っていたら意外にも「景清」だった。
さん助師匠の「景清」は何回か聞いているけど、ちょっと今回はテンポが悪かった?少しもっさりした印象。
それでも定次郎の短気でひねくれてるところは出ていてチャーミングだったし、なにより観音様が出てくるところがたまらなくいい。鳴り物が入って「え?きょうは鳴り物入りかい?」っていうのも好き。
観音様に「お前は悪行が過ぎるから目は開かない」ときっぱり言われて「あーー開かないって観音様に請け負われちゃったよ…」とがっかりする定次郎。
「が、お前のおふくろに免じて死ぬまでの間、景清の目を貸してやる」。
「ええ?景清って昔の人でしょ?相当古いんじゃないの?かちかちじゃないの?」
「そう思って夕べから水に漬けてある」のばかばかしさ。
みんながやってる「景清」だとなんで「景清」なのかわからないけど、最初と最後でちゃんとタイトルの意味がわかるし、サゲもばかばかしくて落語らしくて好き。

さん助師匠の落語、好きだなぁとしみじみ思った。
おそらくうまい下手で言ったら決してうまくはないんだけど、なんかわくわくするような楽しさと奥行きがあってそこがたまらなく好き。
さん助師匠がこだわるところとか面白がるところが好きなのかな。いや時々は「そこは普通にやった方が面白いのに」と思うこともあるけど、やりたい落語があるところに惹かれる。
さん喬師匠に「お前はうまくなるな」と言われたというさん助師匠だけど、うまくなったらきっともっと説得力が増すと思うから、もう少しがんばってうまくなったほうがいいと思うなー(←大好きだと言いながら結局最終的に失礼な感想になってしまうのはなぜだろう?)。