りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

さん助 燕弥 ふたり會

12/8(土)、お江戸日本橋亭で行われた「さん助 燕弥 ふたり會」に行ってきた。


・さん助「馬のす」
・燕弥「佐々木政談」
~仲入り~
・燕弥「釜泥」
・さん助「鼠穴」

 

さん助師匠「鼠穴」
兄さんの複雑さがとてもリアル。
最初に訪ねて行った時、歓迎してくれて「奉公したい」と言ったのを「奉公じゃつまんねぇ。自分で商売ぶて」と言いながら「これを元手に」と渡してくれたのがたったの三文。
10年経ってその三文を返しに行くと「利子ってわけじゃねぇけど」と渡された二両を見て、自分がどういう気持ちで三文を渡したかを話す。
弟がそうとは知らず恨んだりして申し訳なかったと謝ると、「わかってもらえればそれでいい」と本当に嬉しそうで、ああ、本当にそういう気持ちだったんだろうなぁと思わせる。

しかし火事になって弟の家が丸焼けになり商売のもとを貸してもらいたいと訪ねるとけんもほろろ
女房子供もいると言うと「おれが持ってくれと頼んだわけじゃねぇ」。
その表情を見ると、ああ…やっぱりこういう人だったんだ、と思う。

お兄さんが弟に「出ていけ」と手を挙げるところや、弟が見返り柳のところで泥棒にぶつかられるところ、声の大きさや動きの大きさに迫力があって最後を知っているのにドキっとして苦しくなる。

うわーーー、さん助師匠の「鼠穴」すごくいい!!
ネタ出しされたときから、きっといいのでは…と思っていたけどやっぱりいい。

こういう嫌な噺は結構間違いないよなぁ、さん助師匠。
そしてあのお兄さんの嫌な感じ…あれはもしかすると「西海屋騒動」をこの何年かずっとかけ続けていたことが生きているのかもしれない、なんてことをふと思った。

素晴らしかった。これから何回かかけるともっともっと良くなっていくんだろうな。
また見たいな。