りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

末廣亭12月上席夜の部

12/3(月)、末廣亭12月上席夜の部に行ってきた。
きく麿師匠の初トリ!うれしい!めでたい!すばらしい!

・扇遊「家見舞い」
・小里ん「親子酒」
~仲入り~
・駒治「10時打ち」
・ストレート松浦 ジャグリング
・天どん「有名人の家」
・文蔵「寄合酒」
・正楽 紙切り
・きく麿「漫才やりたい!!!」

駒治師匠「10時打ち」
初めて駒治師匠の新作で大爆笑した(失礼!)。
まくらも「いつもの」じゃなくて新鮮!
この間まで真打披露目をやっていたけれど何が嬉しいって口上。
馬風師匠とか正直言って私のことを何も知らないのに言葉を尽くして褒めてくださる。ありがたい限り。
でもやっぱり連日そういう心にもないことを言わないといけないから疲れてもたまっていくんでしょうね。
この間HS師匠が口上でおそらくこういおうとしたんだと思うんです。「彼が大看板になるよう努力をするのはもちろんですがそれには何よりもお客様の御贔屓お引き立てがなければいけません」。
でも疲れすぎていて「彼は何もありませんが。お客様の御贔屓お引き立てがありません」。
…なにもかも「ない」って言っちゃってました。

…ぶわはははは。おかしい。
そして鉄道マニアらしい新作「10時打ち」。これがまためちゃくちゃ面白かった。
自分は興味がない分野でもマニアの話ってほんとに好き。
10時打ちなんて知らなかった!


ストレート松浦先生 ジャグリング
大大大好き。太神楽も好きだけどストレート先生のジャグリングってほんとに最高。
最初から最後まですごいし楽しいし!
一番好きなのが踊る棒。これほんとに凄いと思うんだよねー。


天どん師匠「有名人の家」
出囃子で手拍子が起こるという盛り上がりだったんだけどそこがピークで、まくらから噺の流れで驚くほどひゅ~っと客席が引いた?
なんでなんで?!
私はとっても面白かったけど。天どん師匠のノリがこの日のお客さんには違っていたのか、あるいは面白かったけどどう面白がっていいかわからなかったのか?
面白いほどの引き方でそれはそれでおかしかったんだけど、びっくり。
その後に出てきた文蔵師匠が「こんなに引かせて!」「たっぷりやれと言った俺が悪かった!」と言ったのもおかしかった。


きく麿師匠「漫才やりたい!!!」
寄席の初トリ3日目のきく麿師匠。
寄席っていうのはみんながトリに向かって流れを作って行ってくれてまさにチームプレイ。ものすごく楽しいしありがたい。
いやしかしここまでウケなくてそれで帰り際に「俺のせいじゃないもーん。あートリじゃないと気楽だー」って捨て台詞を残して帰って行くとは…。

…ぶわはははは。天どん師匠、おかしい!
いやでもそれはそれで逆に面白かったし!
でもきく麿師匠もやりづらそう?わはははは。笑い事じゃない?

昨日M1だったけど、見られなかったので録画しておいて今日改めて見ました。
みんな頑張っていて、あれを見て「あー自分も頑張らなきゃなぁ」っていう気持ちになったんですけどそのままにしていたら演芸番組になって桃太郎師匠の高座が流れて…それを見たら「ああ、こんな風に気楽にやるの、いいなぁ」ってなんか嬉しくなりました。
あと我々噺家って結構褒めあうんですね。冗談で。「お、いかしたコート着てるじゃん」とか、からかい半分に。
例えば後輩からそんなことを言われた時、「よせよ~」って答えるんですね。これ、私噺家になるまでやったことなかったですけど。我々ほんとによく「よせよ~」って言うんです。ゆるい感じ、まんざらでもない感じで。
これが本当に嫌!っていうときは言い方が変わって「よせよっ!!」になります。
そんなまくらから「漫才やりたい!!!」。
おおお、M1の翌日にやるにふさわしい…そして前方に出たほぼ同期?の天どん師匠のことも含めて、とってもぴったりなチョイス。

噺家二人が話をしていて、片方が「俺、漫才やりたいんだよね」と言う。
もう一人は「え?俺は別にやりたいと思わないなぁ」。
「なんで?だっていいじゃん漫才。M1で優勝したらもういきなりスターだぜ。仕事もじゃんじゃんくるしお金もバンバン入ってくるんだぜ」。
「俺、今噺家でそこそこお金ももらえるようになってるからいいよ、べつに」
「いやそういう話じゃなくて」
「いやどうもこうもなくて興味ないよ」
「いやいや。だってさ」

片方が漫才をやりたい、もう片方が噺家のままでいい。
で、やりたくない方がそんなに漫才やりたいなら今相方のいなくなった〇〇とかとやればいいじゃん!と言うと「これから売り出したい!夢を追いたいって言ってるのにあんな××なんか!!」
…ぶわはははは、わかるだけにめちゃくちゃおかしい!!

それからとりあえず漫才をやってみようよということになって、シチュエーションコントみたいなものを始めるんだけど、絶妙なズレがなんともいえずおもしろい。
そしてちょいちょい落語のしぐさやセリフが入るのがツボ!
途中でいきなり入り込んでくる「♪鬼の弱点知ってるかい」。これがもう…なんなんだろう、この世界感がたまらなくおかしい。
同期の気安さも伝わってきてそこもよかった!

そして落語の後は「寄席の歌」と言って「昔の名前で出ています」。
このこなれ感がもうたまらない。
毎日歌うのかな。いいいなぁばかばかしくて。最高。