りつこの読書と落語メモ

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ローズ・アンダーファイア

 

ローズ・アンダーファイア (創元推理文庫)

ローズ・アンダーファイア (創元推理文庫)

 

★★★★

1944年9月。飛行士のローズは、戦闘機を輸送する途中でドイツ軍に捕まり、ラーフェンスブリュック強制収容所に送られる。飢えや寒さに苦しみながら苛酷な労働に従事するローズ。収容所で出会った仲間と生き延び、窮地を脱するための意外な方策とは―。戦争に翻弄される女性たちの絆と闘い。日記や手紙で構成された、先の見えない展開の果てに待つ圧巻の結末が胸を打つ傑作!

天真爛漫なアメリカ人のパイロットの少女が、戦闘機を輸送する途中でドイツ軍に捕らえられ強制収容所に入れられてしまう。
そこでの日々はまさに地獄。それでも捕らわれているポーランドやロシアの少女たちと友情を結び協力しあい知恵を出しあって生き延びようとする。

こんな地獄のような日々を救うのは想像力とユーモアと反逆心。
ローズの覚えている物語や詩を聞きたがり、彼女の創作する夢物語に群がる少女たちは本当に尊い

収容所の職長という立場にあっても良心を残し残酷に振る舞わなかったアンナにわずかばかりの希望を感じた。

それにしてもしんどい物語だった。
ナチスに関する本は何冊も読んできたけれど読むたびに人間はどこまで残酷になれるのかということを思い知らされるし、またその歴史をなかったことにしよう隠ぺいしようとする力も感じる。こうやって物語として読むことができることに意味があると思う。