りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

夏丸谷中慕情

11/16(金)、Chi_zu 2号店で行われた「夏丸谷中慕情」に行ってきた。


・夏丸「鰍沢
~仲入り~
・夏丸「置手紙」


夏丸師匠「鰍沢
稀の里の休場について語る夏丸師匠。
こと細かな説明が続くので、なぜここまでこと細かく?と思ったら、要するに稀勢の里は非常に神経が細やかでまじめでプレッシャーを感じやすい、一方白鵬はどんな時でも相手をなめてかかるので力を発揮できる。今日はここの主催者から長いこと「やれ」と言われていた噺「鰍沢」をネタ卸ししないといけない。それに当たっては稀勢の里ではなく白鵬の心情で…客なんかどうせ素人なんだからわかりゃしないさ!の心持でやります、ということを伝えたかったらしい(笑)。

そんなまくらから「鰍沢」。
まくらで、やりたくなかったのに主催者に言われて仕方なく、というのを聞かされていたせいもあるかもしれないけど、なんとなくまだやりづらそうな印象。
でも確かに夏丸師匠の雰囲気、淡々とした語り口に、この噺は合ってるかもしれない。
お熊が苦しがる亭主に「仕方ないよ」と冷たく言い放つところは、なんかこの女の強かさというか諦念のようなものが出ていて、ぞくっとした。


夏丸師匠「置手紙」
初めて聴く噺。いかにも芸協噺っぽい、昭和風味漂う軽くてばかばかしい噺。
新婚家庭の男が新妻「ももちゃん」の写真にキスして、置手紙を読んでのろける姿がばかばかしくておかしい。
途中、歌も入り、「鰍沢」の鬱憤をはらすかのような弾けた高座(笑)。
楽しかった。

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