りつこの読書と落語メモ

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柳家小三治独演会 銀座ブロッサム

11/9(金)、銀座ブロッサムで行われた柳家小三治独演会に行ってきた。


・三之助「金明竹
小三治禁酒番屋
小三治「小言念仏」


小三治師匠「禁酒番屋
出囃子が終わってまだ出てこない小三治師匠。再び出囃子が始まっての登場。
頭を下げて「私、出てくるの遅かったですか?」。

こちらの会場でこうやって年に一度会をさせていただいてますけど、私そのたびに忘れちゃうんですが、こちらの会場が2階にあって楽屋が3階。だからエレベータで降りなきゃいけないんですけど、今日間違えて上がってしまって…7階?まであるんですね。
そこからまた降りてきたので遅れました。

そんなことがあったから、何か話そうと思っていたことがあったけど忘れました…なんだっけかな、ええと…。
こうやって私がなんだっけと思いだしている時間も、私の出演料に入ってるんですね(にやり)。
ここの会場は時間に厳しいんですよ。他の会場だと私の話が長くなって会が延びると「もうしょうがねぇなぁ」って主催者と会場がじりじりしながらも待っててくれるんですけど、ここは待ってくれない。それももういきなりですから。音楽が流れます。…♪ららららら~らら~らら~(蛍の光のメロディ)。
ま、ですから、仲入りの後に私がまた出てくることがあったら、その時思いだすでしょうからお話します。(←まさかこの言葉がこの後の事件(!)の前振りになるとは…)

そんなことを言いながら、句会の話。
扇橋師匠が句の世界で実はすごい人らしいというのを楽屋仲間から聞いた時は「まさか!そんなわけねぇだろう!」と思ったけど、実はそうで…。あいつが初めての句会で詠んだ句…なんだったかなぁ…光景は浮かんでくるんだけど…。
この句会は扇橋、小沢昭一永六輔(ものまねあり!)、矢野誠一江國滋…なんかで始めて、世の中を悪くしたやつらばかりが集まって、何年か前は「最後は誰が残るんだろうね」なんて冗談を言い合ってたけど、もう冗談じゃなくなってきちゃった。
でも毎月やっていて、何が楽しみってここでの楽屋話が楽しみで。あとみんなでその日に出た句の順位をつけるんだけど、私は何年やってもうまくならない。へたで。
でもこの間やった会では、女優の富士真奈美さんが来てたんだけど、彼女一人だけが私の句に一番高い得点をつけてくれた!これは嬉しかったですねぇ…。

…つらつらと話があっちに飛びこっちに飛びしながら、途中で出てきた「のど飴」というキーワードがふとした瞬間に戻ってきて、そうだ!思いだした!と、広島の造り酒屋さんののど飴がとっても美味しいという話に見事に着地(笑)。

そんな長いまくらのあとにお酒のまくら。聞き飽きたまくらでも笑ってしまう。にわとり上戸、壁塗り上戸。いるいる、こういう酔っぱらい。
そんなまくらから「禁酒番屋」。

小三治師匠の「禁酒番屋」は何回も見ているけど、この日はちょっと不思議な「禁酒番屋」。
もしかしたら飛んじゃったのかもしれないけど、「どっこいしょ」がなかったり、でもその分「水カステラ」が本当にその場で思いついた!という感じが強く伝わってきてやけにおかしかったり、番屋の侍がいつも以上に厳めしいんだけどいつも以上に泥酔していてそれがもうひっくり返るほど面白かったり。
小便を持ってきたと言われて、もう飲む気満々で「偽りものが」と言いながらべろんべろんで「役目の手前手落ちがあってはいかん。たとえ水カステラであろうと油であろうと小便であろうと…」と口を近づける様子がスリリングでおかしい。

いつもよりたっぷり長めの「禁酒番屋」。
師匠が頭を下げて高座を降りようとすると、幕の陰に立っている女性が大きく×マークを出しているのが目に入ってきて、ん???
師匠も高座の上に立って「???」。

すると女性の声で「もう時間がありません。これで仲入りをとってしまうと二席目の時間がとれません。仲入りなしで二席目をやるか、仲入りをとって二席目なしか、どちらかです」。

小三治師匠、高座に座りなおして、「今のは私とマネージャーの楽屋話でしたが…聞こえましたか?仲入りとって二席目はなしって…仲入りの後私が出てきて”それじゃ終わりです”って言って終わるってこと?そんなのありですか?どちらにするかここで決めなきゃならないの?」。

「そんな…私だっていきなり気持ちを切り替えられないよ」と言いながらも「それじゃ…私の好きな短い噺を…」と言って、陰陽のまくら。わははははは!!

ショートバージョンの「小言念仏」。
小言のたねを探しながらきょろきょろするところ、這い出してきた赤ちゃんに「ばぁ」、どじょうやを呼び込むところ、師匠ももう落語をやるつもりもなかったんだろうけど、すっとその世界に入ってしまう凄さ。
追い出しが鳴って頭を下げながら、あちゃーという小三治師匠の顔がなんともチャーミングでおかしかった~。

ほんとになにからなにまで「落語」みたい。というか、小三治師匠そのものが「落語」なんだわ。
お客さんももう文句を言うどころじゃなく、あーー面白いものが見られた!よかった!と笑いながら帰って行く人が多くて、それも素敵だった。