りつこの読書と落語メモ

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三美スーパースターズ 最後のファンクラブ

 

三美スーパースターズ 最後のファンクラブ (韓国文学のオクリモノ)

三美スーパースターズ 最後のファンクラブ (韓国文学のオクリモノ)

 

 ★★★★★

韓国プロ野球の創成期、圧倒的な最下位チームとして人々の記憶に残った三美スーパースターズ。このダメチームのファンクラブ会員だった二人の少年は大人になり、IMF危機と人生の危機を乗り切って、生きていくうえで最も大切なものは何なのかを知る―。韓国で20万部超のロングセラーとなっているパク・ミンギュの永遠のデビュー作!

地元に初めてできたプロ野球チームで皆の期待を一身に集めた三美スーパースターズは信じられないほどの弱小チームだった。熱狂的に応援していた主人公と親友ソンフンは恥辱にまみれた青春時代を送ることになるのだが…。

野球を題材にした小説が好きだ。
野球そのものが好きということもあるけど、野球って人生そのものだなぁと感じることが多いから。
必ずしも強いチームが必ず勝つというわけでもなかったり、勝負は2アウトからだったり、圧倒的な力の差があったとしても言ってはいけないことを言ってしまったチームがその後劇的に負けることがあったり…。

三美の弱小ぶりが後半になって鮮やかに肯定される小気味良さ。それはひたすら努力と根性で前へ進もうとしてやみくもに頑張ってきた主人公が、一流企業に就職してパワハラにあいリストラされて、今までの自分の人生を全て否定されて、ああもう俺の人生終わったーーとひっくり返って目を開けたら、抜けるような青空が広がっていたのと重なる。
まさに逆転の発想。
ツーアウトツーストライクスリーボール絶体絶命のピンチ。見送った球は実はボールだったんだよという親友の言葉が心に沁みる。

素晴らしかった。何度も読み返したい。若い人たちにも読んでもらいたい。
パクミンギュ、「カステラ」「ピンポン」と読んだけど、これが一番好き。この作家、この先もずっと読み続けて行きたい。