りつこの読書と落語メモ

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わたしたちが火の中で失くしたもの

 

わたしたちが火の中で失くしたもの

わたしたちが火の中で失くしたもの

 

 ★★★★

家の前に母親と住む汚い子供、酒浸りの高校時代、幽霊屋敷、子供と小動物の殺し屋、通りで見つけた頭蓋骨、鎖で脚をつながれた子供、黒い水から生まれた奇形児たち、「燃える女たち」の反乱…。読み進めるうちに、底知れぬ恐怖に満ちた現実に囚われていく。ラテンアメリカ新世代の“ホラー・プリンセス”が作りだす濃密なゴシックワールド。 


圧倒的な悪意や狂気や暴力、肉体的な力の差を目の当たりにすると、自分の無力を認めざるを得なくなり腰が抜けたようになるが、ここに収められた作品にはそういう類いの恐怖で満ちていて、確かにこれはホラーだ。ジャンルとしてのホラーではなく比喩的なホラー。いやむしろホラーというジャンルを広げた作品と言ってもいいかもしれない。

忘れたくて忘れられない作品が多いが中でも表題作、「汚い子」「アデーラの家」「パブリートは小さな釘を打った」「隣の中庭」「黒い水の下」が印象的だった。