りつこの読書と落語メモ

はてなダイアリーからブログに移行しました。

池袋演芸場11月上席夜の部

11/1(木)、池袋演芸場11月上席夜の部に行ってきた。

・蝠丸「徂徠豆腐」
~仲入り~
山上兄弟(暁之進) マジック
・夢花「天狗裁き
・寿輔「ぜんざい公社」
ボンボンブラザーズ 曲芸
・夢丸「宿屋の仇討」

蝠丸師匠「徂徠豆腐」
出てくるなり「今日はとっても上品なお客様で…楽屋で評判ですよ。みなさんとっても上品だからおもしろくても声に出して笑わないって」。

…ぶわははは。
私はちょうど蝠丸師匠の少し前に入ったんだけど、確かにほんとにシーンとしていて、およよ?!と思ったのだ。
おそらくそういうお客さんだったからじっくり聞かせる方の噺を選ばれたのかな。
蝠丸師匠の「徂徠豆腐」は初めてだったのでラッキー!!ありがとう、お上品なお客様方!

蝠丸師匠らしく、軽いんだけど優しさにあふれた「徂徠豆腐」。
豆腐屋の七兵衛さんが学者の先生に呼ばれてお豆腐を渡すと、先生がすごい勢いで豆腐を食べる。
その勢いが日に日に激しくなっていくのがおかしい。
そして毎日同じセリフ。5日目になるとお豆腐屋さんがすっかり覚えちゃって同じセリフを淡々と言うと、「ああ…言う手間が省けた。ありがとう…」と学者の先生が言うおかしさ。
大きいのがないくらいだから細かいお金もないと言われたお豆腐屋さん。
えええ?そりゃあなた困るなぁと言いながらも家の中を見せてもらって「あー本がたくさんある。あなたものすごい勉強家だ」。
お金を払う当てがないのだと先生が謝ると「あなた偉いよ。武士や学者はお金が払えなくてもそんなふうに謝ったりしないのに。私、あなたが気に入った!」。
食べ物を恵むんじゃない、出世払いにしましょう、というセリフも気持ちいい。

悪い風邪を引いて寝込んでしまった七兵衛さんが8日目にようやくよくなって目が覚めるとおかみさんがおかんむり。
七兵衛さんがうなされて「おからーおからー」言ってたといって、「おからっていう女とできてるんでしょ!」。
「そんな名前の女があるかよ」と言うと「え?じゃ男?お前さんそっちだったのかい?」。

豆腐屋さんが焼けてしまって、友人宅に世話になっていると訪ねてくる大工の頭。
20両を渡されて「新手の泥棒だ」と二人。
おかみさんが「これを使っちまった頃にさっきの男と紋付羽織はかまの立派な男が入ってきて、金を返せないなら別の方法で返してもらおうか、って言うんだよ」。
「俺らにそんなものないよ」
「お前さん、それがあるんだよ。一つだけ」
「え?」
「…あたしだよ」。
武士があたしのことを見初めて金のかわりにほしいと言うからそうしたらあたしはお屋敷の奥様になる。お前さんのことも雇ってもらえるように頼んでおくよ、と言うのがすごくおかしい。
そしてほんとに20両を使い切ったころに、頭と盛装した先生が入ってきて「あらやっぱり。じゃ、お世話になりました」と七兵衛に別れを告げるのがすごくおかしい。

お金と新しい豆腐屋を先生からいただいて「出世されたんだ!」と喜ぶ七兵衛さんがいいなぁ…。
楽しかった~。いいもの見られた。満足。

山上兄弟(暁之進さん) マジック
マジックを「やらない方」の弟くんだけの登場。
なかなか危なっかしいマジックだったけど、かわいいから許す(笑)。


夢花師匠「天狗裁き
静かなお客さんに合わせて、通常の4割ぐらいのテンションでの「天狗裁き」。
とてもよかった。
テンポがいいし人物もくっきり。
いつものハイテンション、超早口より、こっちのほうが好きかも。


寿輔師匠「ぜんざい公社」
平日の夜の池袋演芸場の深い出番で寿輔師匠って正直地獄…。
客席を見渡していじるいじる。寝てるお客さん、お茶を飲むお客さん、笑うお客さん、笑わないお客さん。
「今日は時計の進みが遅い」と師匠がつぶやいたけど、私も同じように感じましたよ…。
ほんとにあの客いじりさえなければなぁ。でも客をいじらない寿輔師匠なんて寿輔じゃないのか。
この番組、もう一度行きたいけど、あの地獄のタイムをまた過ごすのかと思うとうーん…。


夢丸師匠「宿屋の仇討」
ニコニコいつもの太陽のような笑顔で登場の夢丸師匠。
「今日何も知らないでふらっと入られた方にはなんの関係もないことでしょうが、今日は私が真打になって初めてのトリです」。
よかったよーーの想いをこめて拍手をすると場内あたたかい拍手でわーーと盛り上がってじーん…。
夜の部のトリというのは前に出てる人たちがしてない噺をしなければいけないので、準備ができない。
でも5日間あるし、しかもその間はおそらく毎日打ち上げをやるだろうし、だから5席分さらっておこう!と昨日は5席さらいました。
それも家でやると近所迷惑なので歩きながら。歩きながらやるとなぜか噺が頭に入ってくるんですね。
それで5席分歩いて稽古した結果…今朝起きたら膝が痛いです。噺はさらえたけど膝を痛めるという…。

…ぶわはははは。
でもかわいいなぁ。前の日に歩きながら稽古している夢丸師匠を思うと、もうそれだけでうれしくなっちゃうなぁ。
そんなまくらから「宿屋の仇討」。

ついはしゃいでしまう江戸っ子3人組がほんとににぎやかで楽しい。
宴会をやっているとこに伊八が入ってくると3人が大喜びで脱がそうとするのが(それも何度も!)ばかばかしくてたまらない。
侍と聞くとものすごい素早さで「やめます!」と静かになるのがかわいらしい。なのにすぐにそれを忘れて相撲をやれば大騒ぎ、色事の話を聞けば大騒ぎ。

色事をするような面じゃないと言われた源平のたしかにそうだろうなと思わせる顔が浮かんでくるんだなぁ。

にぎやかで楽しい「宿屋の仇討」だった。
夢丸師匠の初めてのトリの初日に来られてよかった~。