りつこの読書と落語メモ

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あの家に暮らす四人の女

 

あの家に暮らす四人の女

あの家に暮らす四人の女

 

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謎の老人の活躍としくじり。ストーカー男の闖入。いつしか重なりあう、生者と死者の声―古びた洋館に住む女四人の日常は、今日も豊かでかしましい。谷崎潤一郎メモリアル特別小説作品。ざんねんな女たちの、現代版『細雪』。 

とても面白かった。

杉並区にある古い洋館に暮らす四人の女たち。
お嬢様育ちな70歳の母・鶴代、その娘で刺繍作家の娘・佐知、佐知の友人で影が薄いが実は毒舌な雪乃、雪乃の同僚でダメンズ好きな多恵美。そして彼らを守るように洋館の東屋に古くから住む山田という老人。

絶妙の距離感で暮らす女たちの生活が実に楽しそうでこれはある意味女性’sドリームなのではないかと思う。
家事を分担して、べたべたした付き合いや干渉はせず、でもお互いを思いやって時々は部屋を訪ねて悩みを話す。
楽しいからこそこの暮らしがいつ終わってしまうんだろうと不安を感じながらも、それでも永遠に続く何かはないのだからと自分に言い聞かせ、それよりは今を楽しもうとする佐知に共感を覚える。

この物語の語り手は?という謎は後半に明らかになるのだが、開かずの間を開いた時のエピソードには声をあげて笑ってしまった。読んでいた場所が家でよかった。最高。