りつこの読書と落語メモ

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露の新治落語会

9/29(土)、深川江戸資料館で行われた「露の新治落語会」に行ってきた。


・紋四郎「延陽伯」
・新治「阿弥陀池
・ジキジキ 音曲漫談
・新治「まめだ」
~仲入り~
トーク(新治師匠、ジキジキ、増子さん)
・新治「宿屋仇」


紋四郎さん「延陽伯」
「延陽伯」は上方版「たらちね」。基本的には一緒だけど床入りするところが描かれていてちょっとどきっとした。そういえば昼に見たじゃんけんさんの「たらちね」でもそういうところがあった。
紋四郎さんは前に連雀亭で見たことがあったけど、関西弁がやわらかで好み。


新治師匠「阿弥陀池
新治師匠の「阿弥陀池」は以前鈴本演芸場で見たことがあったけど、笑い成分多めで楽しい。
尼さんのくだりから、新聞記事へ。なんかいくらでも聞いていられる心地よさがあるなぁ。楽しい~。


新治師匠「まめだ」
生で聞いたのは初めてだったかもしれない「まめだ」。これが本当に素晴らしかった。

歌舞伎役者右團次の弟子の右三郎。母は膏薬屋を営んでおり「びっくり膏」というのが評判でよく売れている。
役者の血筋ではないけれど右三郎はとんぼ返りがうまかったため、役が付くようになっていた。

芝居の帰りに右三郎が雨の中傘をさして歩いていると急に傘が重くなった。何かと思って確かめてみると何も変わりはない。はてと思いまた歩き出すとまた重くなる。
さてはまめだ(子狸)がいたずらしているなと思い、重くなった時に傘を差したままとんぼ返りをするとまめだは逃げて行った。

家に帰り、母親が作ってくれたさばの味噌煮を食べて寝る。
次の日の夜に家に帰ると母親がその日の売り上げを確かめながら「おかしなことがあるなぁ」としきりに首をかしげている。何かと聞くと、金が少し足りなくてそのかわりにいちょうの葉っぱが入っていると言う。また今日は一言も口を利かない暗い小僧が膏薬を買いに来て、どうもそれが気になる、と言う。
まぁあんまり気にしないでもう寝ろと右三郎。
しかし次の日もまた次の日も勘定が合わず、暗い小僧が買いに来たと言う。
何日か続いたあと、「今日は勘定が合う」と母親。そういえば今日は小僧が買いに来なかった、と。
次の日の朝、近所が騒がしいので行ってみると、膏薬を入れた貝がらを体中につけたまめだが死んでいる。それを見て右三郎はこれが自分が傘から蹴落としたまめだで、怪我を治したくて膏薬を買いに来たものの、使い方がわからずに貝がらを自分の身体にくっつけて死んだのだ、ということを知る。
右三郎はまめだに謝り、また近所の人たちに請うて、寺でまめだの弔いをしてもらう。
お坊さんがお経を読んでいると、秋風が吹いてきていちょうの葉が舞い散り、まめだの身体を覆って行った。

右三郎の実直さや、母親とのつましい暮らし、けがをしたまめだがどうにかして治りたい一心で毎日膏薬を買いに来ていた様子、など、なんともいえず良くて最後はいちょうの葉が舞い散る様子が目に浮かんできてじーん…。
素敵だった…。泣いた。


新治師匠「宿屋仇」
トークコーナーの後、楽屋に挨拶に来たさん喬師匠を舞台に呼ぶ新治師匠。
私服姿のさん喬師匠が客席を見まわして「ああ、知った顔がいくつも…」と嬉しそうな笑顔を見せて「新治師匠をこれからもよろしく」と頭を下げたのが素敵だった。
そしてそんなさん喬師匠を見送って高座へ上がった新治師匠。「自分の師匠が亡くなってしまって、そんな時にさん喬師匠にかわいがっていただいて、自分の第二の師匠と思ってます」としんみりと。

「宿屋仇」、最初から最後までにぎやかで楽しくて笑いっぱなし。
特に芸者を呼んで大騒ぎをするところで鳴り物が入る楽しさ。そして隣の部屋の侍が手紙を書きながらちょっと身体が音楽に乗って揺れるのがおかしい。

バラエティに富んだ三席でいろんな表情を見せてもらって大満足。
またトークコーナーで東北の現状や自分たちに何ができるかということを語った主催の増子さん、新治師匠の言葉に胸を打たれた。
素晴らしい会だった。

 

新治師匠の「井戸の茶碗


露の新治 井戸の茶碗 in曹洞宗 龍門寺